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初めまして。



初めまして。Ryoと申します。


いつもご訪問下さっている皆さま。


拙いお話を読んで頂き、ありがとうございます。


アメブロで「恋愛中毒」を連載しておりましたが、いろいろと事情がありまして(笑)


12月よりこちらでブログを開設させて頂きました。


記事を上げるばかりで、たくさんの機能を使いこなせておりません(笑)


失礼がありますことお許しくださいませ。


これからも拙いお話にお付き合い下さると嬉しいです。


どうぞ、これからもよろしくお願い致します。




今日で2012年も終わりを迎えます。


来年もまた、よろしくお願い致します。






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#53:秘密(その14)

#53






私の腕に痣が出来るんじゃないかと思うくらい、上條は力任せに私を引っ張っていく。




「やめろ…」




床に横たわったサトシは、自分の横を通り過ぎる上條の足首を両手で掴むと、進む足を必死で止めようとした。


行き先を遮られた上條は、チッと舌打ちをしながら、サトシの掴んだ腕を離そうと足を蹴り上げた。


蹴り上げた足がサトシの額に当たり、ゴツっと鈍い音をたてた。


それでもサトシは顔を歪ませながら、上條の足を離そうとはしなかった。




「離せって!」



上條はそう叫んだ後、床に横たわるサトシに視線を合わせるようにしゃがみ込んだ。




「…さっきまでお前も愉しんで来たんだろ?こんなに傷作って…留衣子姫を悦ばせて来たんだろ?」




いやらしい笑みを浮かべた上條は、サトシの耳元でそう囁いた。


そして、まだ生々しく血を滲ませている背中の傷に指を這わせる。




「痛っ!」




傷口に上條の指先が強く触れて、サトシは小さな悲鳴をあげた。


傷口から再び血が滲むのを、上條は何だか嬉しそうに見つめている。




「ほら、この痛みがいつしか快感に変わるんだぜ。最初は嫌でも、そのうち欲しくて欲しくて仕方なくなるんだ…俺がそうだったようにな」




指先についた血を舌を突き出して舐める上條の姿は、恐怖の何者でもなかった。


私は逃げ出したい衝動に駆られながら、上條の気の緩む隙を狙っていた。


しかし、逃げ出せたところでサトシはどうなってしまうのだろう…


上手くこの部屋から逃げ出せたとしても、私はサトシを置き去りにするつもりなのだろうか…


傷だらけのサトシを目の前に、私の心に迷いが生じていた。




「さてと…サトシ、そろそろ足を離してくれないか。お前のお気入りの子をお前みたいにしてやるからさ」




上條はそう言うと、私を掴んでいた手を離し、サトシの傷口に不意の一撃を喰らわした。


サトシの短くも深い呻き声は、まるで地鳴りのように私の耳に響いてきた。


体を丸めて痛みを堪えるサトシが、私の顔を咄嗟に見つめた。


「逃げろ」そう、サトシの唇が声もなく動く…


私の体は一瞬、後ずさりしたが、やはりその先の一歩を踏み出すことが出来なかった。


上條の高笑いがサトシの呻き声を消した。


笑いが止んだ後、上條は私の腕をもう一度掴み直すと、鍵の開いたその部屋へと私を突き飛ばしたのだった。






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#52:秘密(その13)

#52






上條が私の胸を揉みしだきながら、興奮していくのが背中越しに感じ取れた。


そんな上條とは裏腹に、上條に触れられる嫌悪感は私の胃に不快感を覚えさせた。


上條の荒い息に熱っぽさが加わり、私の首すじに生温かい息が掛かる。


その度に、私の背中には何度も虫唾が走った。


上條の独りよがりな愛撫は、胸だけに留まらず、焦る指はウエストのラインをなぞり、下腹部へと伸びていった。


上條の興奮も更に昂ってきたようで、私の体に膨らんだ自分のモノを認識させるかのように充てがった。


あまりにピッタリとくっつけられた体からは、上條の脈打つモノがハッキリと感じられ、私は嫌悪感を募らせていく。




「人に見られながらヤルの…好きなんだろ?」




上條は下腹部をまさぐる手を、時折ショーツに触れさせながら、私を焦らす態度を見せた。


そうすることで私の体が反応するとでも思っているのか、上條はその行為を何度となく繰り返してくる。




「なぁ〜、欲しいんだろ。もっと素直になれよ…」




ハァハァと熱い息を耳元に掛けながら、我慢の限界に来た上條は、逸る気持ちを抑えられず、私のショーツの中に手を挿し込んできた。




「痛っ!」




さっきまで濡れそぼっていた秘部も、上條への恐怖感と嫌悪感からか、すっかり渇ききっていた。


渇いた蕾を上條の指が擦り上げたのと同時に、私の口から悲鳴にも似た声が漏れ、部屋中に響き渡った。




「…やめてぇ…」




上條の一方的な愛撫は、痛みを伴って、私の視界を潤ませていく。


悲痛な叫びは、興奮する上條には届いてはいないようだった。




しかし、なかなか潤ってこない私の秘部に、上條は段々と焦りを募らせているのが、触れてくる指先で感じ取れた。


私の体が上條を拒絶していることが、ようやく分かったようだった。


もうすぐでこの苦痛から解放される…


上條の興奮がようやく冷めてくれる…


心の中の呟きと同時に、上條の指が私の秘部から離れていって、私は心底ホッとしていた。


解放された私を心配そうに見つめていたサトシも、上條が私から離れたことで、安堵の表情を浮かべていた。


しかし、私の秘部をまさぐっていた手は、私の腕を掴むとあの秘密の部屋へと向かって歩き出したのだった――






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#51:秘密(その12)

#51






床に仰向けになったサトシを庇うようにして立ちはだかり、私は上條を睨みつけた。


そんな私の姿を見て、上條はクククッと声を殺して笑った。




「アンタ、サトシに惚れたの?」




上條はそう言うと、車内のルームミラー越しに見つめてきた、あのいやらしい目を私に向けて距離を縮めてきた。


私の睨みつける視線から目を逸らさずに、ジリジリと近づいて来た上條は、遂には息が肌に掛かるほどの距離になった。




「もう、ヤったんだ」




上條の言葉に図星を突かれて、私の頬は見る間に紅潮した。


私の紅くなった頬を両手で挟むように掴んだ上條は、ニヤニヤしながら私の顔を舐めるように見つめている。




「やめて!」




あまりの近距離に堪えられなくなった私は、思わず上條目掛けて手を振り上げた。


しかし、その手は上條に触れることなく空を切り、上條の大きな掌に手首を掴まれてしまった。


ギリギリと力を込められた手首が捻られ、紅く火照った顔もすぐに色を失くし、苦痛に歪んだ顔に変わる。


まるで、その顔を愉しむかのように、上條は私の手首を掴んだ手に力を込めた。




「…上條…さん、やめて…くださいよ」




いつの間に意識を取り戻したのだろう。


仰向けになったままのサトシが、私の背後でそう呟く声が聞こえた。




「おっ!ようやく目が覚めたか?…まぁ、その体じゃ見てるしか出来ないだろうけど」




含み笑いを浮かべながら、上條は私の体を自分の方に引き寄せ、サトシに見えるように羽交い絞めにした。


腋の下から回された腕に力が入る度に、私の顔は苦痛で歪み、悲鳴にも似た声が漏れそうになる…




「…やめて…ください。彼女は…関係ないんですから」




傷だらけの体を必死に起こそうとしながら、サトシは上條に何度も懇願した。


その懇願が上條を刺激させたようで、私の背後に回った上條の息が荒くなっていくのを耳元で感じた。


首筋に上條の荒い息が掛かる度、何とも言えない恐怖が私を包んでいく…


締め上げられた腕は段々と指の先まで痺れていき、痛みを忘れさせた。


抗う力の失くなった私の体を待っていたかのように、上條は片方の腕を私の後頭部から離すと、いきなり無防備になった胸を鷲掴みにしてきたのだった。


服の下から直接、乳房を触れてくる上條の手は、私に嫌悪感を植え付けた。


荒々しく乳首を摘み上げられ、指先で擦り付けられる行為は、快楽とはほぼ遠いところにあって、更に私の顔を苦痛で歪めさせる。


その行為には愛撫をするような優しさなど微塵もなく、荒々しさだけを私の体に刻み付けていったのだった。






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#50:秘密(その11)

#50






秘密の部屋からサトシの手だけが現れ、何かを探すように宙を彷徨っていた。


私は思わずサトシの手を両手で握り、ギュッと力を込めた。


床を這い蹲るように現れたサトシの顔はとても疲れていて、憔悴しきった様子だった。


この部屋の中で留衣子とどんな情事を繰り広げたのだろう…


サトシの意識が朦朧とするくらい、交わったのだろうか…


ドアの隙間から覗く私の目に、真っ暗な部屋の中は何も見えず、余計に私の頭の中の妄想を駆り立てていく。


二人の情事を想像する度に、胸のモヤモヤが大きくなっていくような気がして、何だか複雑な気持ちになった。


しかし、サトシがドアの隙間からようやく上半身を現した時、私の甘い妄想は突如、打ち砕かれたのだった。




「サ…トシ、…サトシ!!」




私は気が動転したのか、サトシの背中につけられた無数の傷痕から血が滲むのを見て、思わず大きな声で名前を呼んだ。


私の呼び声に返事はないまま、サトシは秘密の部屋から抜け出すことに必死なようだった。




「ま…ひる?」




サトシが掠れる声で私の名前を呟いた時には、秘密の部屋のドアは締まり、傷だらけのサトシの姿だけが床に残された。


私が傍に駆け寄った時には、サトシの意識はなくぐったりとしていた。




「相当、やられたなぁ〜」




サトシの名前をもう一度呼ぼうとした時、私の背後で聞き覚えのある声が響いた。


振り向くとそこには上條が立っていて、私を驚かせた。


どうやってこの部屋に入ったのだろう…


私は不審者を見るような目で上條を見つめた。


昼間の車の中での出来事が脳裏に蘇ってきて、胸が焼けるような嫌悪感が私を襲った。


そんな私の気持ちを余所に、上條はニヤニヤと笑いながらこちらへと向かってくる。




「まったく…無用心だなぁ〜、鍵、開いたままだったぞ」




蛇に睨まれたカエルのように、私はその場から動けず上條の近付いてくるのを身構える。


上條は私の横を通り過ぎると、床にうつ伏せになったサトシの体に足をかけた。


上條の足で勢い良く仰向けになったサトシの体は、衝撃を受けたにも関わらずぐったりとしたままだった。




「おい!これくらいでへばってんじゃねーぞ!」




意識のないサトシに向かって、上條は大きな声を上げる。


私はこれ以上、サトシに危害が加わらないように急いでサトシの元に駆け寄ると、上條のことを鋭い目で睨みつけたのだった。






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#49:秘密(その10)

#49






私の体から秘部を弄んでいた留衣子の指と、淫らな匂いが離れていく。


思わず言葉を発しようと唇を開きそうになった時、留衣子の携帯電話の着信音が部屋中に響き渡った。


優雅なクラシックの着信音は、仕事をする留衣子にはピッタリな感じだが、違う一面の留衣子を知ってしまった今、とても物足りなさを感じさせた。


ベッドから下り携帯電話を手にすると、確実に一オクターブは高い声で留衣子はやり取りを始めた。


私はそんな留衣子を横目で見ながら、冷静さを取り戻そうと必死だった。


火照った体を鎮めて、正気の自分を取り戻さなければ、私が私でなくなっていくようで怖くなった。


留衣子の指が私から離れていこうとする時、私は何を口走ろうとしていたのだろう…


あの時、唇から零れそうになった言葉が私の頭の中で繰り返される。


「…やめないで」そう口にしそうになった言葉を、言葉の形にならないほど噛み砕いた。


違う…


そんなこと思ってない…


もう一人の私が必死でその言葉を否定している。


しかし、もう一人の私は、留衣子の悪魔の囁きが、甘い囁きに変わっていくのを感じてしまった。


心では否定しながらも、今まで知らなかった快楽への扉に手を触れようと、手を伸ばそうとした自分に気付いてしまったのだ。




「…今から行くわ」




留衣子の言葉に私はハッと我に返った。


留衣子は携帯電話をバッグに戻すと、私の方をチラッと見て紅い唇を上げる。




「そういう気持ちになったら、いつでも連絡して。あなたが満足できる相手、紹介してあげるわ」




電話が終わった留衣子からは、さっきの淫らな匂いは消え、もう既に新たなメスの匂いが発せられていた。




「女は美味しいものだけ食べて生きなきゃ…ね」




舌舐りをする留衣子の妖艶さに圧倒されながら、私はサトシが留衣子を愉しませるオモチャであることを悟った。




「庄野さん、今から車を寄越すから、気を付けてお家に帰ってね。…あ、そうそう…隣の部屋の彼は起こさないで。相当、疲れてるみたいだから」




留衣子はそう言うと、軽い足取りで玄関へと向かって行った。


静まり返った部屋の片隅でゴトンと物音がして、私はベッドから飛び降りると隣の部屋のドアノブを回す。


サトシの姿を確認したくて、鍵が掛かっていることも忘れ、ドアノブをガチャガチャと必死で回した。


ドアのすぐ傍でサトシの気配を感じる。




「お願い…聞こえてるなら、ドアを開けて…」




私が言葉を発して暫くすると、ガチャリと鍵を開ける音が聞こえドアの隙間からサトシの手だけが現れたのだった。






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#48:秘密(その9)

#48






留衣子の顔が間近に近付いてきて、甘く淫らな匂いを更に振り撒いていく。


どんなにたくさんの香水を降りかけたとしても、留衣子が放つ淫らな体液の匂いには到底適わなかった。


むせ返るような淫らな匂いは、私の思考を正常にはしてくれなかった。


かつて、こんな風に淫らな気持ちになったことがあっただろうか…


愛した人には心が感じて、そういう気持ちになることはあっても、今の私は心よりも体の方が敏感に反応してしまっている…




(淋しいわよね…)




そう言った留衣子の言葉が今の私にはシックリきて、余計に物悲しい気持ちになった。


でも、そんな私の気持ちの中にも、言葉では言い表せない想いが生まれつつあった。


留衣子の放つ淫らな匂いに、サトシのものが混じっている思うと、何だか胸がざわつくのだった。


黙ったままの私を留衣子が見つめた。




「川原君のこと、考えてる?」




不意に留衣子の口から、かつての恋人だった男の名が呟かれて、私は驚いた顔を見せた。


ほんのちょっと前に裏切られたばかりなのに、すっかり私の頭の中から彼の存在が消えてしまったことに驚いたのだった。


しかし、留衣子はそんな私の様子に気付かないまま言葉を続けた。




「こんなに魅力的なあなたを振るなんてね。…川原くんも自分の将来に目が眩んだのね」




「え?」




「あら?知らなかった…?彼の結婚相手、社長の姪っ子なのよ」




私は留衣子の言葉に一瞬、驚いてみせたが、思ったよりダメージは大きくはなかったようだ。


同僚だった瀧口沙織が社長の姪だということも…


あんなに結婚を切望した川原隆二が、野心を選んだことも…


何だか私にはどうでもいいことのように思えた。


そう思わせてくれたのは、私を性の快楽へと導いたサトシの存在があったからかも知れない。




「そんな人のことなんか忘れて…素敵な恋、しなさいよ。…それとも…」




そう言いかけた留衣子は、再び濡れそぼった私の秘部に手を伸ばした。


太腿の付け根に指を這わせ、ショーツの隙間から直接、秘部へと指を割り込んできた。


敏感になっている蕾に留衣子の指先が触れた瞬間、私の体は電流が走ったかのようにビクンと震えた。




「…こういうこと、愉しんでみる?…解放された自分に出会えるわよ」




留衣子の言葉は、まるで悪魔の囁きのようだった。


傾いていきそうな自分の心を引き戻すように、私は硬く目を瞑って首を横に振った。




「そう…残念だわ」




あっさりと引いていく留衣子の指と言葉に、私の秘部はジンジンと疼いていたのだった。






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#47:秘密(その8)

#47






私の指が蜜壷の中で激しく上下した。


溢れ出る愛液を掻き分けて、肉壁を指の腹で擦り上げる。




「あぁぁん…」




体がビクンとうねり、扉に預けた体が腰を浮かせ仰け反った。


そろそろ絶頂が近いことを私自身の体が一番知っていた。


2本目の指を増やした途端、私の体がヒクヒクと痙攣を起こし始める。


ドアの向こうからも、私と同じように留衣子が「イク!」と雄叫びを上げながら悶えている声が聞こえた。


ピクッと蜜壷が震え、愛液がどっと押し流され、私の頭の中は真っ白になった。


自慰行為で初めて得る快楽に、私は甘い溜め息を吐きながら、暫く余韻に浸ったのだった。




「…野さん、…庄野さん」




いつの間に眠ってしまったのだろう。


私の名前を呼ぶ声に、重たい瞼を必死でこじ開ける。


私の眠るベッドの淵に腰掛けて、留衣子が私の名前を呼んでいた。


私の目に映る真っ白い上下のスーツを身に纏う留衣子は、とても40半ばとは思えないほど妖麗で、思わず息を呑んだ。


にこやかな笑顔の留衣子を見つめていると、さっきまで私の目の前でサトシと絡み合っていた淫らな姿が、まるで夢のように感じられる。


しかし、甘い香水の香りが私を包んだ途端、その甘さの中に、どこかしら淫らな匂いが入り交じっていて、それが夢ではないことを証明していた。




「まだ、顔が赤いわね。明日も体調が悪いようなら、会社は休んだほうがいいわ。私から川原君には伝えておいてあげるから」




サトシの逞しくそそり立ったモノを咥えていた唇が、そう私に告げた。




「ね、庄野さん。どうかした?」




サトシのモノを舐め上げて、ぬらぬらと光るモノをしごいた指が私の肩に触れる。


淫靡な空間が私に見せるものは、留衣子の裏の顔だった。




「顔が赤いのは、具合が悪いだけじゃなさそうね」




突然、そう呟いた留衣子は、私の包まった布団の中に手を突っ込んで、私の太腿を探し出した。


呆気にとられた私を余所に、留衣子の手は私の太腿の奥にある場所を確実に捉える。


ベッドに眠り込んでしまうまでに、自慰行為で濡れまくったソコは、ショーツの上から触る指をも湿らせてしまうほどだった。




「きゃ…」




留衣子の指が私の秘部に触れて、慌てて身をよじった私は、ベッドから起き上がって留衣子の顔を驚いた顔で見つめた。




「隠さなくていいのよ。淋しいわよね…恋人と別れたばかりなんだから。…あなたに似合いそうな人、探してあげましょうか?」



真っ赤な口紅で彩られた唇がキュッと上がり、私の耳元でそう呟いた。


その声が私の背中をゾクリとさせ、私は頷くことすら出来ずにいた。






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#46:秘密(その7)

#46






私は疼き始めた下半身に、震える指をゆっくりと充てた。


扉一つ隔てた向こうに人がいると言うのに、こんな淫らな気持ちになるのは初めてだった。


たどたどしい指をショーツの布地の上から秘部に添って滑らせる。


留衣子が部屋を訪れる前に、サトシの指とシャワーの飛沫で弄ばれていた秘部からは、ねっとりと愛液が垂れ、ショーツを濡らしていた。


肌にピッタリと密着したショーツの下からは、くっきりと秘部のカタチが透けて見えた。


何だかその光景が、途轍もなくいやらしく見えて、更に私を興奮させる。


指をゆっくりと動かす度に、溢れ出る愛液はショーツのシミをさらに広げていった。


堪らずショーツの上からまさぐっていた手を、ショーツの中に押し込め、秘部を濡らす愛液に直接触れた。


秘部を覆い隠す茂みまでもが、既にしっとりと濡れていた。


濡れた茂みを掻き分けながら、蜜壷の入口を見つけ出すと、私はその入口に添って指を動かしてみた。


体がフルフルっと小刻みに震えて、私の口から喘ぎ声が漏れた。


私は思わずショーツの中の手を引き抜き、両手を口に充てる。


扉の向こうにいる二人に、その声が聞こえなかったか不安になったが、扉の向こうからはさっきよりも妖艶な留衣子の声が微かに聴こえてくるだけだった。


扉の向こうの二人に気づかれていないことが分かってホッとした私は、口元に充てた指をゆっくりと離した。


離した手を見つめると、右手の中指だけが怪しげに光っていることに気付く。


自慰行為をしようとした指だけが、私の愛液で濡らされ、仄かに照らす部屋のライトでぬらぬらと輝いて見えた。


濡れた指を再び口元に近づけると、私はその指を丁寧に舐め上げた。


何故、そうしたのかは分からなかったが、この異様な空間が私をそうさせているとしか思えなかった。


透明の液体が舌に絡みつき、私の喉元を通り過ぎていった。


それが合図にでもなったかのように、私の中の欲情が更に拍車を掛ける。


私は扉の向こうの二人の声が聞こえるように背中を預けると、濡れてしまったショーツを膝まで下げた。


唾液の残った指を自分の蜜壷の中に沈ませると、ゆっくりと掻き回し始めた。


クチュクチュと音をたて、愛液がお尻の方へと流れていき、絨毯にシミを作っていく。


私の欲情は留まることを知らなかった。




(ダメ…!)




そう心は強く自分を否定したが、蜜壷を掻き回す指は更に私を昂らせ、私を絶頂へと導こうとする。


そんな自分に戸惑いながらも、私の中に芽生えた淫らな欲情に打ち勝つことが出来ず、私は欲情に身を任せたのだった。






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#45:秘密(その6)

#45






留衣子がサトシに耳打ちする言葉が、ベッドに横たわりながらうっすらと目を開けて覗き見する私の耳にも届いた。


サトシは留衣子の口の中で精を吐き出し、少しグッタリした様子を見せている。


しかし、精を吐き出したばかりサトシのモノは、そうとは思えないほどすぐに回復し、留衣子を喜ばせた。




「さぁ、サトシ…私達の秘密の部屋に行きましょ」




留衣子はサトシのそそり立ったモノを指で弄びながら、甘い声でそう言った。


しかし、留衣子の手の中で悦んでいるモノとは打って変わって、サトシは何だか浮かない顔をしている。




「こんなに悦んでるのに…サトシのここはなかなか盛り上がらないわね」




留衣子はそう言うと、サトシの胸に手を充てた。




「ま、いいわ。体は正直だから…そのうち心から感じるようになるわよ」




留衣子はふふっと鼻で笑うと、サトシの腕に自分の腕を絡めた。


白くて長い腕は、まるでサトシ自身を縛り付ける鎖のように見える。


サトシの自由を奪う鎖のように私の目には映っていた。


留衣子の絡みついた腕はサトシの体を引っ張って、隣の部屋へと向かった。


留衣子に半ば引きずられるように、部屋へと消えていくサトシの後ろ姿を、薄目を開けてベッドの中から見送った。


ガチャリ…


閉められたドアに鍵が掛かる…


ゆっくりとベッドから起き上がった私は、閉ざされた扉をじっと見つめた。


あの部屋の中で、これから起きようとすることを頭の中で想像する。


サトシを心配しながらも、想像してしまう出来事に私の下半身が疼き始める。


サトシの恍惚とした横顔…


嬉々とした表情で、サトシのモノを咥え込む留衣子の唇が思い出されて、疼きとともに熱が加わった。


この扉の向こうで、ベッドから覗き見た淫靡な世界が繰り広げられているのだろうか…


そんなことを考えながら、私はいつの間にかベッドから下り、サトシと留衣子が消えていった扉の前にしゃがみ込んでいた。


いけないと思いつつも、扉にそっと耳を当てる。


部屋の中から微かに留衣子の喘ぎ声が聴こえてくる。


留衣子の艶やかな声が私の耳に残り、私の体をブルっと震わせた。


私は無意識のうちに、疼く下半身にそっと自分の手をあてがっていたのだった。






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#44:秘密(その5)

#44






留衣子の啄むような唇の音は、次第に肌を吸い尽くす音へと変わった。


サトシの着ていたバスローブが床に落ち、逞しい体が間接照明の明かりで薄暗い部屋にぼんやりと浮かび上がる。




「お、おい…留衣子」




「なぁ〜に?途中で止めるなんて、ルール違反でしょ。あなたは私のやることに、黙って従ってればいいのよ」




慌てた声を上げたサトシだったが、留衣子の言葉に抗うのをやめたようだった。




「ねぇ…サトシ」




サトシの名前を呟く留衣子の声が、急に甘えた声に変わった。


うっとりするような眼差しが、サトシを誇張している下半身へと注がれている。




「どうしちゃったの〜?何時もなら私が可愛がってあげないと勃たないのに…」




そう言うとサトシのいきり立ったモノを、舌先で軽く舐め回した。


サトシの切ない声が短く啼いて、更に留衣子を嬉々とさせた。


暫くはサトシのモノを舌先で弄んでいた留衣子だったが、サトシの切ない声をあげる間隔が短くなるにつれ、その表情は恍惚としたものへと変わっていった。




「彼女がそこにいるから…感じてるの?」




「…そんな…訳…ないでしょ」




「ふぅ〜ん…そうかしら?こんなサトシ、初めてだから…何だか妬けちゃうわね」




意地悪っぽく呟いた留衣子の言葉の後に、サトシの切ない声が悲鳴に変わった。




「血は出てないわ。少し加減はしたから…私を妬かせた罰よ」




さっきまでの甘えた声は消え、威圧的な留衣子の声に、ベッドに潜り込んだ私は思わず体を縮こまらせた。


留衣子に飼われている…


そう言ったサトシの言葉が私の頭の中で、何度も何度もリピートされた。


今、ようやくその意味が少しだけ分かったような気がした。




「ねぇ…もっと欲しい?」




再び甘えた声の留衣子が、サトシのモノを弄びながら囁いた。


留衣子に噛み付かれて、顔を歪めたサトシは言葉の代わりに小さく頷いてみせた。




「ふふふ…可愛い子。噛まれても、まだこんなに大きくしちゃって…あなたもとうとう、堕ちちゃったわね。サトシ…」




言葉を返さないサトシを見ながら、留衣子は高笑いすると、真紅の口紅で彩られた唇にサトシのそそり立つモノを一気に咥え込んだ。


留衣子の口が上下する度に、卑猥な音が音量を上げていく。


サトシの切ない啼き声も相まって部屋中が淫靡な空間へと化していった。


体を震わせ一回目の精を吐き出したサトシに、留衣子が耳打ちする。




「準備運動は終わりよ…サトシ、今日はうんと愉しませてね」




そう言って留衣子が誘ったのは、私が開けようとしてサトシに止められた、あの扉の向こうだった。






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#43:秘密(その4)

#43






「いったいどれだけ待たせれば気が済むの!」




ヒステリックに甲高い声をあげて、サトシの部屋の玄関に入って来たのは留衣子だった。


チャイムを鳴らしてドアが開くまでの数分間が、留衣子にとってはとても長く感じられたようだった。




「仕方ないだろ。シャワー浴びてたんだから。…それに、少し声のトーン落としてくれないかな…彼女、ぐっすり眠ってるんだ」




髪の毛から雫を垂らして、バスローブを無造作に羽織ったサトシは、いかにも今、バスルームから出てきたかのように装っている。


サトシの肩に手を添えて、10センチ以上はあるハイヒールを脱ぐ留衣子の手が止まった。




「…彼女、ここにいるの?」




「…あぁ…病院にはどうしても行きたくないって。家に送って欲しいと頼まれたんだけど、放っておけなくてさ。留衣子がくれる睡眠薬あったろ?アレ飲んだら、すぐに眠ちゃって…未だに目を覚まさないんだ」




サトシの言葉でハイヒールを慌てて脱いだ留衣子は、キングサイズのベッドが置かれている部屋へと急いで向かった。


ベッドが軋んで、私の横たわる枕元からいい匂いが漂ってくる。


留衣子がベッドに上がり、私が眠っているのかを確かめるように顔を近づけたのが気配で分かった。


心臓が口から出てしまいそうなほど、私の胸の鼓動は大きな音をたてる。


ドクンドクンと脈打つ鼓動が聴こえてしまうんじゃないかと思った時、サトシの声が留衣子の動作を止めた。




「大丈夫だよ、眠ってるだけだ。ちゃんと加減して飲ませたから」




サトシの言葉に留衣子がビクッと反応したのが、目を閉じた私にも伝わってきた。


再びベッドが揺れて、私から留衣子の気配が遠くなっていく。


留衣子がサトシのいる場所へと向かって歩いて行く足音だけが、私の耳に響いた。




「サトシ…何を言ってるの?アレはあくまでも睡眠薬よ。あなたの為に処方して貰ったのに、彼女に飲ませるなんて」




私が起きないように気遣いながらも、留衣子の声には怒りがこもっていた。


綺麗な留衣子の顔が、相当、歪んでいることを想像させる声だった。




「あれほど上條にも病院に行くように頼んでおいたのに、あなたも上條も使えないわね。…彼女が妊娠してるかどうか、確かめたかったのに…」




サトシの驚く声が耳に届く前に、愕然としたのは私だった。




「あの子が付き合ってた彼に相談受けてて。…結婚が決まったから自分の身辺、綺麗にしておきたいんじゃない?」




そう呟いた後、留衣子の唇から何かを啄むような音が聞こえてきた。


目を閉じていても、その音が何の音なのか想像がついて、私はギュッと目を閉じた。




「やめろって…彼女がいるのに」




「だって、あの薬、飲ませたんでしょ?だったら暫くは夢の中よ」




静かな部屋に留衣子の啄むようなキスの音が、嫌というほど耳に響いてきたのだった。






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#42:秘密(その3)

#42






薄ガラスの向こうは、大理石で作られた大きな浴槽が白い湯気を漂わせていた。


浴槽の大きさに驚いて、思わず私は息を呑んだ。


サトシはそんな私を余所に、シャワーが備え付けてあるところへと向かって行った。




「ほら、真っ直ぐ立って。まひるの汗、流してやるから…」




サトシはそう言うとシャワーのコックを思い切り捻った。




「きゃ!…冷た…」




サトシの握りしめたシャワーノズルからは、大量の水が勢い良く放出され、冷たい雫が私の体を弾いていく。


私は吹き出るシャワーの水の冷たさに、思わず身を屈めて、その場に座り込んだ。




「ごめん、まひる」




サトシは慌ててシャワーコックの温度を切り替えると、温かいお湯が出てくるのと水量を確かめてから、私の体にゆっくりとシャワーを浴びせた。


さっきとは打って変わって、浴室にも湯気がじんわりと立ち込めてくる。


サトシはシャワーのノズルを私の右肩に充てがい、もう一方の手でレバーを全開にした。


ノズルから勢い良くお湯が吹き出して、私の肌に痛いくらいだった。


サトシはレバーを戻すことはせず、水圧のかかったシャワーノズルを私の肩から徐々に下へと動かしていく。


柔らかい肌に刺さるようなシャワーの刺激に、思わず顔を歪めてしまう。




「そのうち気持ち良くなるから…」




そんな私を見つめながら、サトシはいたずらっぽく笑うとシャワーのノズルを胸へと向けた。


膨らむ胸の先端を狙い、サトシは容赦なく刺激を与えてくる。


水圧の強さで歪んでいた顔が、サトシの予告したように次第に緩んでいき、私の唇から声が漏れる。


その声を漏らした途端、サトシの指が胸の先端を摘み、更に刺激を加えていった。




「あ、…ダメッ!」




「綺麗にしてやってるんだよ。ここも…ここも」




そう言いながらサトシはシャワーのノズルをいきなり下半身に充てた。


強い刺激が下半身の蕾に当たり、私の体がその刺激にビクンと反応する。




「ここが…一番、汚れちゃったからな。念入りに洗ってあげないと」




「ヒッ」と声が出た時には、サトシの指は胸の先端から離れ、一気に蜜壷の中に挿し込まれていた。




「ほら、ヌルヌルが残ってる…綺麗に掻き出してやるよ」




サトシは耳元でそう囁くと、勢い良く指を動かし始めた。


あまりの刺激に立っていられなくなった私は、再び床に倒れこみそうになった。




「ダメだよ。ちゃんと立って…綺麗にしてあげてるんだから」




サトシは私の体を支えながらも、動かす指を止めてはくれなかった。


サトシの手から離れたシャワーのノズルが、水圧の勢いでうねりながらあちらこちらに水しぶきを放っている。


昂る私の体が悲鳴を上げようとした時、サトシの部屋を誰かが訪れたことを知らせるチャイムが微かに聴こえてきたのだった。






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#41:秘密(その2)

#41






サトシの思わぬ怒号に私の心臓がビクンと跳ねた。


咄嗟に握っていたドアノブから手を離し、サトシの方を振り返った。


眉間に皺を寄せ、厳しい顔つきのサトシが一瞬、私の瞳に映ったが、その表情はすぐに柔らかい表情に変わった。




「ごめんなさい…私、バスルームかと思って…」




サトシの険しい表情が一瞬ではあったが、目に焼きついて離れず、私は恐る恐る言葉を発した。




「何だ、バスルーム探してたんだ。バスルームならこっちだよ」




サトシは安心したようにそう言うと、私の腕を掴んで、その部屋とは逆の方へと私を導いた。


バスルームはサトシの部屋の玄関から入ると、左手の廊下の先にあった。


木の扉を開けるとすぐ右手に大きな洗面台があり、もう一枚のドアの向こうに浴室があるようだった。


サトシと抱き合った時に脱がされた服や下着が、きちんと纏められて籐かごの中に置いてあるのを目にし、私はサトシの新たな一面を見た気がした。




「ありがとう。服…たたんでくれて…」




「一人暮らし、長いからね。大したことじゃないよ。…何?意外って思ってる?」




「…う、ううん。そうじゃないけど…そう思ってる…かも知れない」




「ははは、まひるは素直だな。…そういうとこも可愛いんだな」




サトシはそう言うと、シーツを纏った私の体を後ろからギュッと抱きしめてきた。


すっかり冷たくなった私の体に、サトシの体温が心地好く伝わってくる。




「…体、汗で冷えちゃったな。シーツも濡れたままだし…俺ので汚れたまんまだし」




「あ、ちょっと…待って」




纏っていたシーツがサトシの手で、ハラリと床に落とされた。


裸のまま立たされた私は、思わず両手で胸を隠した。


後ろから抱きしめるサトシが、何も纏っていない私の体に自分の体をグッと近づけてくる。


私のお尻の辺りに、バスローブ越しではあったが、サトシの脈打つモノが触れているのがハッキリと分かった。




「まひる…綺麗にしてあげるよ。おいで…」




私の答えを待たずに、サトシはバスローブを無造作に脱ぎ捨てると、私の手を引いて浴室の中へと入っていった。


ほんのさっきまで、息もつけないほどの快楽を貪りあった筈なのに、私の体はサトシの逞しくそそり立ったモノを目の当たりにして、再び濡れていくのを感じていた。






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#40:秘密

#40






いつの間にか部屋の窓から差し込んでいた陽射しは、夜を知らせる闇へと変わっていた。


お互いの性を貪りあった私達は、掠れるような悲鳴をあげながら、それでも何度も求め合った。


蜜壷の中の肉壁がサトシの硬いモノで何度も擦りつけられ、痺れたような感覚だけが残っていた。


私は自分の愛液で濡れてしまったシーツを纏い、まどろんだ。


体のあちこちにつけられたサトシの痕をギュッと抱きしめていたかった。


目を閉じた私の頬や額や髪に、サトシの細く長い指が優しく触れる。


まるで音を奏でるかのような繊細な指使いが、私を心地好い眠りへと誘った。




「まひる…」




眠り込んだ私の耳元で、サトシの囁くような声が聞こえた。


ハッと我に返るとバスローブに身を包んだサトシの姿が目に飛び込んできた。




「ヤダ…私、眠っちゃって…」




「気持ちよさそうに眠ってたよ。…あんなに燃えたから、疲れたんだな」




柔らかく微笑んだサトシの顔を、何故だか真っ直ぐに見つめることが出来ず、私は不意に目を逸らした。


それに気付いたサトシは、私の顎を右手の親指と人差し指で挟むと、自分の方へと向かせ直した。




「風呂…沸いてるから、入ってこいよ。俺は先に入ってきたから」




サトシの触れた指が温かかったのはそのせいだった。


今まで、私の肌に触れてきたサトシの指は、いつも冷え切っていた…


その冷たさがサトシのイメージを作り上げてきたような気がして、私は少し申し訳ないような気持ちになった。




「どうした?」




私の表情が変わったのを見逃さなかったサトシは、私の顎に指を添えたまま顔を近づけてくる。


私の胸が早鐘を打つように、ドクンドクンと音をたて始めた。


煌々と明かりの灯った下で、サトシの顔をまじまじと見つめるのが初めてだった私は、サトシの綺麗な顔立ちに今更のように驚いていた。




「…お、お風呂、頂いてきます」




私は近付いてくるサトシの顔を避けるように、慌ててベッドから体を起こした。


シーツで体をくるんだまま、ベッドから降りた私は、改めてサトシの住む部屋の広さに呆然と立ち尽くしてしまった。


キングサイズのベッドが中央に置かれ、その周りには殆んど物が置かれておらず、より部屋の広さを強調している。


シンプル…と言えばシンプルだが、必要最低限の物しか置かれていないこの部屋に生活感を感じることは出来なかった。


あまり部屋の中をジロジロと見回すのもいけないだろうと、いそいそと向かった扉のドアノブに手を掛けた。


その時―――




「その部屋には入るな!」




私の背中からサトシの怒号が響いて、私の体を震わせたのだった。






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#39:サトシ(その22)

#39






荒々しさのないサトシの行為は、私の心に微かな愛しさを植えつけた。


こうして体を重ねるのは2度目だと言うのに、不思議なくらいサトシの肌は私の肌になじんでいた。


優しい口づけを交わした後、サトシが私の目を覗き込んでふっと微笑んだ。


まだ、出逢ってそう時間の掛からない私に、本当のサトシの姿など殆んど皆無だったが、その微笑みはサトシの本当の姿の一部を垣間見せた気がした。




「まひる…」




私の目を見つめながらサトシが私の名前を呼ぶ。


返事をしようとした時、私の右手がサトシの手に掴まれ、サトシの下半身へと導かれた。




「…えっ?…あの…」




私の指先には、さっきイったばかりとは思えないサトシの硬くいきり立ったモノが触れ、思わず私は頬を紅く染めた。




「また…こんなになってる。自分でも…驚きだけど」




「…桜木部長とは…その…恋人…なんでしょ?」




サトシにどう答えていいのか分からず、私は話を逸らすように留衣子の名前を出した。


留衣子に飼われていると言ったサトシの言葉は、そういう事なんだろうとも思っていたからだった。




「恋人…?そんな風に見えた?」




「…ええ。あのラウンジでは、とてもお似合いに見えたけど…」




私の言葉にふっと鼻で笑ったサトシは、掴んだ私の右手を離すと、ベッドの上にゴロンと仰向けになった。




「俺さ…留衣子を女性として見れないんだ。…だから、自分の意思で勃つことなんかないんだよ」




サトシの言っている言葉の意味が、私には上手く飲み込めなかった。


戸惑う顔でサトシを見つめていると、サトシは「意味、分かんないよな」と哀しい表情を浮かべて呟いた。




「自分の意思じゃないところで勃たされることはあっても、俺から求めてる訳じゃないってこと」




サトシはそう言ってベッドから体を起こすと、私の胸に掛けられた白いシーツを剥ぎ取り顔を埋めてきた。


貪りつくように私の胸に舌を這わせ、硬くなった乳首に吸い付いたりしてくる。


再び、鎮まりかけた熱を呼び起こされた私が声を漏らそうとすると、サトシが埋めた胸から顔を上げ私をじっと見つめた。




「こんな風に留衣子を求めたりしないってこと…」




サトシの囁きが私の耳に響いて、私の中の熱がその言葉で一気に目覚めた。


閉じていた太腿を自ら開き、そそり立つサトシのモノを掴むと、まだ乾ききっていない蜜壷の入口へとあてがった。




「…欲しいの。…もっと、いっぱい欲しい…」




自分からこんな風に求めることが、未だかつてあっただろうか。


私の言葉でサトシは蜜壷の奥に腰を深く沈め、歓喜の声を漏らした。


私達は伝わり合う快楽に身を委ね、時間の流れを忘れた。


押し寄せてくる欲求を満たすように、何度も何度も壊れそうなくらいに体を重ね合った。






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#38:サトシ(その21)

#38






サトシの熱く硬いモノを受け入れる前に、十分に濡らされた蜜壷は、すんなりとサトシを受け入れた。


サトシのモノが挿し込まれるたびに、溢れ出る愛液の音だけが静かな部屋に響いた。


その卑猥な音は、私達を更に興奮へと導いていく。


サトシの腰の動きが速くなり、サトシのモノが蜜壷から離れないように、私の腕はしっかりと腰に添えられた。




「…はあぁぁぁぁん…」




サトシが激しく腰を打ち付けるたびに、私の唇からあられもない声が零れる。


押し殺していた筈の私の声は、幾度も押し寄せる快楽の波に、いつの間にか解放されてしまっていた。


蜜壷の卑猥な音と私の声が入り交じったこの部屋は、淫靡な空間と化していた。


私が喘ぐ声を零すたび、その声に反応するようにサトシのモノは、私の蜜壷の中で大きくなっていく。


その度に、サトシのモノが肉ひだに擦りつけられ、私の蜜壷はビクンビクンと痙攣する。




「また、イキそうなんだろ?」




息を弾ませながら、意地悪そうに訊いてくるサトシの顔を見ると、すぐにイキそうになるのを見透かされてる気がして、私は何も言わずサトシの唇に自分の唇を押し当てた。


それが私の返事だと思ったサトシは、押し当てられた唇を割って、唾液で濡らされた舌を無理矢理差し込んできた。


無防備だった私の舌に、サトシの舌がねっとりと絡まって、私は夢中でサトシの舌に絡みついた。


サトシの熱く硬いモノを蜜壷に挿し込まれ、唇を吸われ、快楽を放出する場所を塞がれてしまった私は、一気に高みへと押し上げられた。




「うっ…うぅぅん………イ…クッ…イっ……ちゃう」




「思いっきり…イケよ。…俺も持ってかれ…そうだ」




サトシが艶かしく呟いた時、私の頭の中で花火が散って、蜜壷からは愛液が吹き出した。


ハァハァと二人の息遣いが部屋中に響き、サトシの放出した精は私の太腿を濡らした。


倒れこむように私の体に覆い被さって来たサトシの体は、うっすらと汗が滲んでいて、私の肌に吸い付いた。


重なり合う二つの体は暫くの間、動けずにいた。


ようやく顔を上げたサトシが私にくれたものは、まだ荒い息が漏れる唇を愛おしむように重ねてきた口づけだった。






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#37:サトシ(その20)

#37






「はぁ…はぁ…もう…や…めて」




あれからどれくらいの時間が経ったのだろう。


まだ、部屋の中には太陽の光が注ぎ込んでいるから、そう時間は経っていないのかも知れない。


じゃぁ、私はどれくらいの時間でこんなにもイってしまったんだろう。


肩で息をしながら、朦朧とする意識の中でふと、そんなことを思った。


サトシの指は蕾から花びらへと移動し、また、私を高みへと昇らせた。


その後は、溢れ返った蜜壷をじっくりと舐めるように愛撫し続ける。


出し入れされる指は、私が少しでも感じる場所を敏感に捉えると、容赦なくそこばかりを執拗に刺激してきたのだった。


指の腹で肉ひだを擦られると、信じられないくらいの愛液が、体の奥から溢れてきた。


濡れたシーツが私の体を冷やしていくのに、体の芯は物足りないとでも言うかのように、サトシから与えられる刺激を求めてしまう…




「まひる…もう、何回くらいイった?」




蜜壷に長い指を出し入れしながら、サトシは赤く膨張した蕾や花びらを舌で舐めまわしている。


もう、何度もイカされて体中が痺れているのに、サトシの指使いや舌使いに、嫌というほど体は反応してしまう。




「…分かんない。…分かんないくらい…イっちゃってる」




「…川原さんの時にも、こんなにイッてたの?」




サトシの口から前彼の川原の名前が出て、私は一瞬、現実の世界に連れ戻されたような気持ちになった。


溢れ出た愛液も一瞬、止まったように感じた。




「どうして…彼のこと…?」




そう言いながら、私の頭の中には留衣子の姿が過ぎっていた。


彼女なら私が川原と付き合っていたことを知っている。


留衣子に飼われているサトシなら、名前くらいは聞いたことがあるのだろう。




「…今は思い出したくない。川原さんのことは…言わないで」




「ふぅ〜ん…あんまりイかせて貰えなかったか…」




サトシは鼻でフフッと笑うと、私の体を愛撫する手を止めた。


また、イきそうだった私の体は、不意に止められた快楽の波に乗れないまま困惑してしまった。


…と、その時。


私の太腿を強引に押し広げて、サトシの逞しいものが一気に押し込まれた。


私は息も出来ないまま、サトシの熱いモノを受け止めた。


激しく動き出した波に、私の体はまた、快楽の中に引きずり込まれそうになる。


さっきまで頭の片隅でチラついていた川原の姿は、押し寄せる快感に呑み込まれてしまった。






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#36:サトシ(その19)

#36






サトシは私の体を優しく包み込んだ後、唇にも優しく触れた。


私はサトシの背中に回した手にギュッと力を込めた。


視界が遮られているせいか、視覚以外の五感が異様に働き始め、サトシから発せられる肌の温もりもさっきより熱く伝わってくる。


思わず私の中の愛おしさが溢れて、抱きしめる背中を何度も何度も摩っては抱きしめ返した。


ふと、その時…私の指先に触れた肌の一部に微かな違和感を覚えた。


しかし、もう一度確かめようとした時には、サトシの体は私から離れ、片手で胸を揉みしだきながら、下半身の方へと移ろうとしていた。




「ちょっと…」




「何?もう我慢できない?」




サトシはそう言うと、いきなり秘部に顔を埋め、私の赤く充血した蕾を舌先で捉えた。




「あんっ…」




目隠しされた状態で、より敏感になっている蕾は、サトシの舌先が軽く触れただけでも悲鳴を上げそうなくらいだった。


触れられると同時に甘い声が漏れて、私は唇を硬くすぼませた。


そんな私の顔を確認したサトシは、更に舌先を細かく動かしながら蕾に刺激を与え、私の口から漏れる声を引き出そうとした。




「……もう…やめ…て」




私が声を出すのを躊躇っていることが分かっているサトシは、私の声に耳を傾ける風でもなく、ピチャピチャといやらしい音をたてながら、同じ場所を攻め続ける。




「…お願い!…もう…ダメ」




痺れるような感覚が全身に伝わって、私は大きな声を上げた。




「…まひる…ダメじゃないよ。イク…だろ」




「…ち…違う…そんなんじゃ…」




サトシの舌先で蕾を弄ばれた僅かな時間で、イクなんて感覚に襲われる筈はないと思っていた。


そんな筈はないと、今までの経験がそう思わせていた。




「…もう、イきたいって…まひるの蕾…そう言ってるよ。我慢しなくていいからさ、感じるままに声…出せよ」




サトシの吐き出す声の吐息まで、硬くなった蕾を刺激して、私を快楽の高みに押し上げようとする。


身体がブルっと震え、その快楽の波を押し留めることが出来ないまま、私は声を震わせイってしまった…


私がイくのを見届けると、再びサトシは秘部へと顔を埋め、今度は花びらを刺激し始めた。




「…イヤ!…やめて!」




まだ、痺れが残る体を必死で動かそうとするが、サトシの両手に太腿を掴まれてピクリとも動かせなかった。


そうこうしているうちに、また快楽の波が私を襲った。


立て続けに湧き上がる快感を私は止めることが出来ずにいた。






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#35:サトシ(その18)

#35






何も身に纏っていない私の体をサトシはじっと見つめている。


触れられずに見られるだけの行為が、こんなにも恥ずかしいものだと初めて知った。


サトシの腕が伸びて、私の太腿に触れるとゆっくりと押し広げてきた。


まだ、日も暮れていない太陽の陽射しが射し込む明るい部屋で、濡れそぼった秘部をサトシは凝視している。


私は恥ずかしさに硬く目を閉じた。


サトシの視線を遮ることは出来たが、脳裏に浮かんだサトシの姿を思い出すだけで、私の体はカッとなり火照っていった。


白い肌がピンク色に染まっていくのを、サトシに見られていると思うと、私の秘部からジュワっと愛液が垂れていく。


思わず太腿に力を入れ足を閉じようとしたが、既に私の秘部を覗き見るサトシの頭で阻止されてしまった。


サトシの息が時折、秘部にかかる。


その度に私の背中がゾクゾクっと震えた。




「まだ、何にもしてないのに…こんなに濡らして。まひるのここは、本当にいやらしいな」




「…ヤダ、そんなことない…」




私がそう呟いて目を開けた時、サトシが手に何かを握り締めているのが見えた。


黒っぽい生地にドット柄の描かれたネクタイだと気付いた時には、素早くサトシの手によって視界を遮られた。




「何するの?」




「まひるの一番、感じるとこ…探すんだよ。何にも見えない方が集中できるでしょ」




もう既にネクタイは私の目を遮っていて、サトシがどんな顔でそんなことを言っているのか想像するしかなかった。




「イヤ…こんなの」




私がネクタイに手を掛けようとすると、サトシの力強い腕が私の両手首を掴み、ベッドに押し付けられた。


サトシの生温かい息が私の耳にかかる。




「ダメだよ。まひるの一番感じるとこ、知りたいんだから。俺と一緒に気持ちよくなろう…」




サトシはそう耳元で囁くと、今までにないくらいに私の体を愛おしく抱きしめた。


俺らしくいられる…


そう言ったサトシの欲しているものは何だろう…


こんな風に温め合うことなのだろうか。


もし、そうならサトシの手に入れたい温もりを、私は彼に与えてあげることが出来るのだろうか。


私の腕はいつの間にか、サトシの抱きしめてくれる背中を包んだ。


サトシのことを殆んど知らないのに、私は何故だか愛おしいような気持ちが溢れてくるような気がした。






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#34:サトシ(その17)

#34






「まひる…」




サトシの熱の籠った声が、私の名前を呼んだ。


今まで体を重ねてきた男達も、私の名前を愛しさを込めて呼んでくれていた筈なのに、愛しさが込められてる訳じゃないのに、胸の奥が苦しく切なくなるのは何故だろう…


サトシの寂しそうな背中を見てしまったから…?


サトシの過去の一部を知ってしまったから…?


女性の扱いに酷く慣れたサトシが、本当の温かさを求めているような気がして、こんなにも切なくなるのだろうか…


サトシの唇が私の首筋をなぞり、胸のふくらみを捉えた。


既に硬くなった乳首をサトシの生温かい舌は、擦り付けるように舐めまわし始めた。


もう一方の胸は、サトシの左の手でゆっくりと揉みしだかれ、私は徐々に息をあげていった。


サトシの舌で擦りつけられた乳首は、更に硬さを増し生暖かな舌に敏感になっていった。




「あぁ……ん」




サトシの舌使いに、私は思わず声を漏らす。


私が感じているのを確かめると、舌先で転がすように舐めてみたり、唇で吸い上げたりと更に刺激を与えてきた。


その刺激で、まだサトシから触れられていない場所が疼き始める。


触らなくてもその場所がじんじんと疼いて、ショーツを濡らしていくのが分かった。


サトシの手が胸から離れ、ウエストのラインを撫で始めた。


疼く場所に近付いてくる手の動きを待ちきれない私の体は、思わず腰を浮かせてしまった。




「もっと感じたいの?」




私が腰を浮かせたのが分かったサトシは、少し意地悪そうな目を向けながら私を見つめた。


その目が私のいやらしさを見抜いているようで、私は急に恥ずかしくなった。


初めて肌を重ね合う訳じゃないのに…


初めて会った日は、酔っていたとは言え、我を忘れて求めることが出来たのに…


少しずつサトシのことを知っていく度に、求める快楽とは裏腹に心が付いていこうとしているようで、私は戸惑いを隠せなかった。




「俺…」




そう言うと、サトシは愛撫する手を止めて、私の顔をじっと見つめてきた。


サトシの憂いを帯びた目に、私の胸がドキンと音をたてる…




「アンタを抱くことで、自分を取り戻せる気がする」




「自分を…取り戻せる…?」




私がサトシの言った言葉を繰り返して声にすると、サトシの顔が急に近付いてきて目の前に現れた。


驚く私の唇にサトシの唇が優しく重なる…




「まひるなら…俺らしくいられる気がするんだ」




サトシの言葉に胸の鼓動が早鐘を打つように鳴り響いた。


隙をついて、サトシはウエストラインで止まっていた手を再び動かし始める。


その手はいつの間にかショーツへと伸び、私の身を隠すものがなくなった。


すべてを曝け出した私の姿をサトシが観察するようにじっと見つめていた。






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#33:サトシ(その16)

#33







私の昂った気持ちとは裏腹に、サトシが身につけたジーンズのボタンは簡単には外れてくれなかった。


サトシがベッドに横になる傍らで、ボタンを外そうと焦っている私をサトシがむくりと起き上がって制止する。


呆然と見つめる私の頭を撫でると、サトシはジーンズを脱ぎ捨て、生まれたままの姿になった。


サトシは私の右手を掴むと、脈打つ熱いモノに私の手のひらを導いた。


心臓がドクンと音を立てるのと同時に、私はゴクリと口の中に溜まった唾液を飲み込む。


こういう行為が初めてではなかったけれど、明るい部屋の下でまじまじと男性の性器を見つめることには慣れていなくて、思わず私は俯いてしまった。




「…恥ずかしがるなよ。もう、こんなになってるのに…まひるが俺をこんな風にしたんだよ」




サトシの言葉から荒々しさが消えていて、さっきの昂りを思い出させるかのような甘い声が響いた。


恐る恐るサトシが導いた先へ手のひらを伸ばし、反り勃った熱いモノを柔らかく包み込んだ。


直に触れると、サトシのモノが更に硬さを増していくのが分かる。


もう、サトシに導かれることはなく、私は感じるままにサトシの硬くなった熱いモノを口の中に含んだ。


ゆっくりと口の奥まで咥えていくと、短い声が漏れて口の中でサトシの熱いモノがドクンと波打った。


それがまるで合図になったかのように、私はゆっくりと口を動かした。


溢れてくる唾液を絡めて、舐めたり吸い上げたりしていると、サトシの手のひらがいつの間にか私の頭へと伸び、しっかりと掴まれて固定された。




「まひる…もっと…」




サトシの掠れた声が私の耳に届いた途端、いきり立ったモノを喉の奥まで押し込めると、サトシの腰が勢い良く動き出した。


私はサトシの動きに合わせるだけで精一杯だったが、私の角度から見えるサトシの恍惚とした表情を見ていると、なんとも言えない愛しさのようなものが込み上げてくる。


無我夢中で口いっぱいに咥えたモノが、精を吐き出すまでそう時間は掛からなかった。


いや、そうしている時間が苦痛に感じなかったからかも知れない。


快楽に浸るサトシの表情をもっと高みに昇らせたいと、私の中で支配欲のようなものが初めて生まれた瞬間だった。


吐き出された精をゴクリと飲み干すと、サトシの身体が私に覆い被さってくる。


今までにはなかった優しいキスが、体中に落とされていった。


それはまるで、ご褒美を貰う時のようなワクワクした気持ちを更に掻き立てるものだった。






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#32:サトシ(その15)

#32






私の唇がサトシの綺麗な形の唇に触れたままゆっくりとベッドへ埋もれていった。


サトシは何の抵抗もないまま、私の唇を受け入れていた。


目を閉じるサトシの瞼に…額に…頬に…キスを降らす。


驚いたように目を開けたサトシに、私は一瞬、笑みを見せて再びサトシの唇を塞いだ。


サトシの唇の形を愛おしむように舌で確認して、そっと舌を挿し込む。


待っていたかのようにサトシの舌が絡みつき、私はその動きに優しく応えた。


お互いの舌先を舐め合ったり、挿し込んだ舌を吸い上げたり、私は感じるままにサトシの唇にキスを繰り返す。


そのうち私の唇はサトシの耳たぶへと移り、耳元で吐息を漏らしながら口に含んだ。


サトシの体がピクッと反応したのが分かって、私は更に耳たぶへの愛撫を続けた。


軽く舌で噛んだり舐め上げたりと、激しさはないものの、ねっとりとした執拗な舌使いでサトシの耳を攻め立てる。


サトシの口から掠れた声が漏れ、私はもっとサトシの感じるところを見たいと思った。


舌先でサトシの肌を舐めながら、首筋から胸元へと下りていく間、私の左手はサトシの胸の突起を捉えた。


片方は指先で、もう片方は舌先で、丹念に胸の突起を捏ねくり回す。


いじられるほどに硬くなっていく胸の突起を、私は思い切り吸い上げた。




「うっ…」




サトシの唇から漏れる声は、私の耳に心地好く響いて、私の気持ちを「もっともっと」と昂らせる。


昂った気持ちは小刻みに舌を震わせ、サトシに快感を与えようと必死になった。


サトシの胸の突起を弄んでいると、私の右手をサトシが不意に掴んだ。




「まひる…もう、我慢できない」




そう言ってサトシの手に促された手は、ほどよく筋肉のついたウエストを滑り、腰で履くジーンズのボタンのところで止まった。


ボタンを外せと言わんばかりに、サトシに掴まれた右手はその周囲を行き来させられる。


ジーンズの下に隠された硬いモノが私の手のひらに触れて、布越しからでも熱く脈打っているのが伝わってきた。




「触ってよ…」




サトシの艶かしい声が私を更に昂らせ、掴まれた手首を振り切った私は、ジーンズのボタンに手を掛けたのだった。






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#31:サトシ(その14)

#31






私の叫び声はサトシの唇で塞がれた。


差し込んでくる舌の荒々しさが、私に息つく暇も与えてくれなかった。


苦しくなって顔を背けようとしても、サトシはそれを許さずに、舌を更に奥の方へと差し込んでいった。


絡まる舌が音をたて、唾液が息も出来ない喉に流れ込んでいく。


私は思わず大きくむせ込み、サトシの唇から離れることが出来た。




「…大丈夫か?」




大きく体を揺らして咳き込んでいる私の背中に、サトシの手が添えられ、ゆっくりと上下する。


サトシの手の動きに合わせて、私は浅く呼吸を繰り返す。


いつの間にか、咳き込んでいた私の体は呼吸のリズムを取り戻し、少しずつ楽になっていった。




「…悪かったな。あんな酷いことして…」




サトシが私の背中に向かって、ポツリと呟いた。


上條の運転する車の中でのことを言っているのだと分かって、思わず「あの人は…」と言ってしまって口を噤んだ。


私に背中を向けたサトシの拳が、強く握り締められていたのを目にしたからだった。


上條がサトシにとってどういう存在なのか気にはなったが、サトシの背中が「聞くな」と拒否しているように見えて、私はそれ以上、言葉を発するのを止めた。


しかし、サトシの背中を見つめていると、さっきの恐怖感はいつの間にか消えていて、私の心に寂しさだけが残っていることに気付く。


私は無意識のうちに、サトシの動かない背中にそっと手を当てていた。




「…俺は、留衣子に拾われた。ピアニストになりたくて、金貯めて留学しようと思って、必死で働いてた。でも、貯めた金は知り合った奴に騙されて…」




「それが…まさか、あの人…?」




私の呟きにサトシの背中は反応したが、答えはくれなかった。


一息吐いて再び、サトシは自分のことを語りだした。


無一文になったサトシの目の前に留衣子が現れたこと…


夢だったピアニストになるチャンスが巡ってきたこと…


その為に留衣子に飼われることになったこと…


飼われて…


私はサトシの言葉を最後まで聞くことが出来ないまま、サトシの背中に覆い被さった。


見えないサトシの傷が見えるようで、傷口を塞いであげたい衝動に駆られていた。




「…同情してんの?」




サトシの冷ややかな言葉に、私はサトシの背中を抱きしめたまま首だけを横に振った。


その時は同情だったのかも知れない…


サトシの背中が寂しそうに見えたからかも知れない…


サトシに抱かれた時から…いや、その前から心のどこかに蠢く影を見ていたのかも知れない…


サトシが背中に覆い被さる私の方に向き直った。


サトシと目が合った瞬間、私の心がドクンと音をたてた。


引き寄せられるように唇を重ねた私をサトシは拒むことはせず、そのままベッドに埋もれていったのだった。






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#30:サトシ(その13)

#30






オートロックを解除して、サトシは私の腕を掴んだまま、マンションの中へと入って行った。


マンションに入ると、陽射しを上手く取り入れた広いエントランスがあり、その先にエレベーターホールが見える。


数々の高級そうな装飾品を横目に、私はサトシに引っ張られながらエレベーターの前に辿り着いた。


引き裂かれたストッキングが足にまとわりついて、私の歩きを妨げる。


よろけそうになりながらも、そうならなかったのは、サトシの掴んだ腕の力が相当なものだったからだ。


私の腕を掴む、サトシの手のひらから伝わってくるものは、怒りだった…


エレベーターの扉が開いて、窓の付いた箱の中に私達は乗り込んだ。


幸いにして私の姿は人目に付くことはなく、さっきの道路で好奇の目に晒されるようなことは避けられた。


私はサトシに気付かれないように、小さな溜め息を吐くとエレベーターの窓に目を遣った。


地上の景色がどんどん小さくなった頃、ようやくエレベーターが止まった。


2002号室のドアの前でカードを取り出し、サトシがドアをゆっくりと開けた。


靴も何も置かれていない殺風景な玄関が目の前に広がる。


…と突然、私はサトシの力の籠った手のひらに背中を押され、何もない玄関に倒れ込んだ。




「痛っ…何するのよ!」




サトシの行動に私は驚きを隠せず、興奮したまま大きな声をあげた。


私の声に反応したのか、サトシは冷たい視線を上から落とすと、黙ったまま私の体を抱き上げて部屋の中へと進んでいく。




「ちょっと、離して!降ろしてったら!」




憧れたお姫様抱っこは、ちっとも心地好いものではなく、宙に浮いた体は支えを失ったように心許ない。


足をばたつかせて必死で抵抗を試みたが、余計にバランスを失うだけで、私の恐怖心を煽るだけに過ぎなかった。


宙に浮いた体は更に支えを失い、私はキングサイズのベッドに放り込まれ、柔らかなマットに身を沈めた。




「ギャーギャー、うるせぇんだよ!」




サトシはそう叫ぶと、横たわった私の体に覆い被さった。


今までにない荒々しさで、私の身に纏った衣服を引きちぎるように剥いでいく。


露になっていく白い肌は、痛いくらいに服の布が食い込んで赤味を帯びていく。




「お願い…やめて。…やめて―――」




尋常じゃないサトシの荒々しさに、私はただただ、恐怖で叫び声をあげていたのだった。







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#29:サトシ(その12)

#29






サトシの指が蜜壷を激しく擦り上げる。


上條がミラー越しに見ているという羞恥心は、私の喘ぎ声を唇に押し留めた。


しかし、サトシの指から醸し出される快楽に頭の芯が痺れて、私の意識が遠くなる。


細い糸で繋がれたような心許ない意識が戻ったのは、上條の運転するベンツが急ブレーキをかけた時だった。




「降りろよ」




そう言ってベンツのドアが開けられたのは、そびえ立つマンションの前だった。


サトシの指に弄ばれた私は、車がどの進路を辿っているのか確認できる筈もなく、この場所がいったい何処なのか、全く検討がつかなかった。




「…お前らしくないじゃん、サトシ。啼かせられない女がいるなんてな。…ま、我慢してるその子にはそそられたけど…」




思い出したようにクククといやらしい笑いを漏らして、上條が舐めるように私に視線を注いできた。


その視線におぞましさを感じた私は、指の動きを止めたサトシの膝の上から飛び降り、目を逸らす。


急にとてつもない恐怖に襲われ、込み上げてくる震えを止めることが出来なかった。


上條は私の姿を見て笑い声を上げ、直ぐ様サトシの方へ向き直った。


視線は私を見る時とは違って、鋭く威圧するような目だった。




「留衣子姫には上手いこと言っといてやるよ。…そんなに彼女、ヨダレ垂らしてるのに、さっさと送るわけにはいかねーだろ。ちゃんと最後まで責任、とってやれよ」




「…あんた…」




サトシは低い声でそう呟いたが、それ以上は唇を噛み締めたままで何も言わなかった。




「ほら、降りろって」




上條の言葉にサトシは私の腕を思いっきり掴むと、グイグイと引っ張って車から引きずるように私を下ろした。


ベンツのドアが静かに閉まると、クラクションを鳴らして車はすぐに発車した。


道路に座り込んだまま、私はその車を見送るよりも先に、呆然と立ち尽くすサトシの姿を見ていた。


唇を噛み締めて睨みつけるように車を見送るサトシの姿が、目に焼き付いて離れなかった。


掴まれた腕はサトシの怒りからか、ギリギリと力が込められる。


しかし、サトシの悔しそうな顔が頭を過ぎって、「痛い」という言葉を発すことが出来ず、私も痛みを我慢したのだった。


車が見えなくなった頃、行き交う人達の声でサトシが我に返った。


破れたストッキングのまま、道路に座り込んだ私の姿を見た通行人が冷ややかな目で見ていくのが分かった。


サトシはその好奇の目が気になったのか、更に私の掴んだ腕に力を込めると、私を立ち上がらせマンションの中へと引きずるように入っていったのだった。







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#28:サトシ(その11)

#28







「やめて!!」




サトシの突然の行動に、私は大きな声で抵抗した。


私の声が耳に届いている筈なのに、サトシは無言のまま、破れたストッキングを更にビリビリに破いていく。


破られたストッキングは広げられた足先まで伝線して素肌が露出されていった。


秘部を隠す為のショーツは、サトシの手によって弄ばれた蜜壷から滴る愛液で透けてしまっていて、上條の目にもくっきりと形が分かったようだった。


射るように見つめてくる上條のルームミラー越しの視線が、刺激を与えるというよりも、私に恐怖を植え付けた。


そんな私の心のうちなど知る由もなく、サトシは更に秘部を隠していたショーツをずらし、秘部を丸出しにする。


私はその姿を上條に見られているのかと思うと、恥ずかしさから硬く目を瞑り、ありったけの声で「やめて!!」と叫んでいた。




「…黙れよ」




サトシの冷たい声が私の耳元に囁かれる。




「痛い目に遭いたくなかったら、黙れ」




抑揚のないサトシの声が私の恐怖心を更に煽った。


私の背中に戦慄が走り、硬く瞑った目からはじんわりと涙が溢れてきた。


それでも、サトシの指は止まることはなく、私の秘部のヒダを広げては、キラキラと光る愛液を硬くなった蕾に擦りつけていった。


その行為に開かされた太腿がビクンと震え、恐怖の中でも尚、快楽の波が押し寄せてくる。


喘ぎ声が唇から漏れそうになった途端、自分の体が恨めしいとさえ思えて、私はきゅっと唇を噛み締めた。




「…啼けよ、まひる」




喘ぎ声を上げるのをグッと我慢した私の体に、力が入ったのが分かったのか、サトシは蕾に触れていた指を蜜壷の中に無理矢理、挿し込んだ。


もう十分に濡れていた蜜壷は、サトシの指を簡単に飲み込み、まるで悦ぶかのように入り口をヒクつかせた。




「…啼けって!」




サトシの怒号が車内に響き渡り、蜜壷に挿し込んだ指を荒々しく、何度も何度も上下に動かした。


蜜壷を擦り上げる淫靡な音が私の耳に届いて、次第に頭の芯が痺れていく。


声を押し殺した分、体は敏感になっているのか、私の頭の中は何も考えられず真っ白になった。




「サトシ…とんだ上玉捕まえてきたなぁ」




クククと笑う上條のいやらしい笑い声だけが、薄れそうな意識の中で聴こえてきたのだった。






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#27:サトシ(その10)

#27






運転手の男の名前を親しげに呼ぶサトシは、私を弄ぶ手を止めた。


私は上條と呼ばれる男に、事の一部始終を見られていたのかと思うと、目を開けることが出来なかった。


サトシのイヤらしく動く指の動きに、喘ぎ声を必死で押し殺していた自分が、とても恥ずかしく感じられた。




「一昨日だよ。それより、留衣子姫のご機嫌、ちゃんととってるんだろうな?」




「えぇ…まぁ…」




歯切れの悪い返事を返すサトシに、上條は声をたてて笑い出した。


その笑い声が余りにも大きすぎて、私は驚いたように目を見開いた。


その瞬間、ルームミラー越しの上條と目が合い、ニヤリと笑われてしまったようだった。




「…次はその子か」




上條の声が低く車内に響いた。




「上條さん!」




上條の呟いた言葉を掻き消すようにサトシの声が車内を占領した。


上條の言っている意味が分からず、私は思わずサトシの顔を見た。


目が合った筈なのに、一瞬でサトシの視線は違うところへと泳いだように見えて、私に心にとてつもない不安が押し寄せてきた。


「…次はその子か」上條の言ったその子とは多分、私のことなのだろう。


どういう意図でそう言ったのか気になる一方で、押し寄せる不安が怖さに変わっていく。


そして、私の抱いた怖さは上條の発した一言で、すぐに現実のものとなった。




「…サトシ、啼かせてみろよ」




サトシの体に緊張が走ったのが、体を預けた私にも伝わってきた。


上條の言葉の意味が分からず、私はキョトンとした顔でサトシと上條の姿を交互に見つめた。




「ちょっと…それは勘弁してもらえませんか」




サトシの口から、これまでには聞いたことのないような沈んだ声が私の耳に届いた。


サトシの声と表情から、ただならぬものを感じ始めた私は、思わず身を起こそうと頭をもたげた。


その瞬間…


車は大きく左にカーブし、私の体はサトシの体に吸い込まれ、起き上がろうとする自由を奪われたのだった。




「サトシ…俺はお前の為に…」




「…分かりましたよ!」




上條が言いかけた言葉を遮ったサトシは、さっきの急カーブでバランスを失った私の体を無理矢理、起き上がらせた。


力の入らない体は、まるで操り人形のようにサトシの意のままに体勢を取らされる。


サトシの膝の上に座らされた私は、いきなり足を広げられ、ルームミラー越しの上條の目に恥ずかしい部分を曝け出す格好にさせられた。


サトシの手が私の下半身をまさぐりだし、履いていたストッキングに手を掛けた。


プツッと音がしてストッキングが一瞬のうちに破られ、サトシの指が私の濡れそぼった秘部を荒々しく摩り上げたのだった。







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#26:サトシ(その9)

#26






ショーツの上からサトシの右手が私の秘部を擦り始める。


サトシの指の動きに体は反応するものの、目の前にいる運転手の存在が昂ろうとする気持ちを躊躇させる。


私は横になった体を仰向けにし、目を瞑っているサトシに向かって視線を送った。


私が体を動かせたせいか、サトシの指の動きが一瞬止まった。


気付いてくれたんだと尚も視線を送り続けたが、サトシの右手に体勢を戻され、再びサトシの行為は続いた。


目に映る運転手の姿を目の前から消すように、私は硬く目を瞑った。


何だか段々とエスカレートしていくサトシの行為に、私は不安を隠せずにはいられなかった。


しかし、現実は…


サトシの手によって飼い慣らされ、悦びに目覚めていく自分の体を、止めることも出来ない…


為す術もない私は、結局はサトシの与えてくる快楽に身を委ねるしかなかった。


ゆっくりと秘部の形を確かめるように摩っていた指が、濡れに濡れたショーツの隙間からいきなり入り込んできた。




「…んっ……」




サトシの不意打ちに私の口から声が漏れた。


FMラジオがBGM程度に流れている車内に、似つかわしくない声を上げてしまい、私は硬く閉じていた目を開けた。


思わず運転手の姿を確認したが、気付いていない様子だった。


私はそれでも安心を得られないのか、何度か咳払いをした。


さっきの声は咳払いをしようとする前の喉を鳴らす声だったんだと主張するように…


しかし、その咳払いをしたことで体が揺れ、サトシの指を私の蜜壷へと導く結果となってしまった。


既に濡れて、太腿にまで流れでそうな愛液がサトシの指に絡みつき、それを解こうとするかのように指が上下に動いた。


後ろから差し込まれたサトシの長い指は、私の感じる箇所を一気に責め立てた。


声は出せない。


私は浅く呼吸を繰り返しながら、押し寄せてくる快楽に必死に耐えた。


閉じた瞳からうっすらと涙が滲んでくる。


こんな状況でも感じてしまう自分が情けなくて堪らなかった。




「留衣子姫に飼われた反動かね〜」




突然、運転席の男が言葉を発した。




「サトシ、そろそろ病院に着くぞ。止めるか、イカせるかどっちかにしろって」




ルームミラーに映った運転手が目深に被った帽子を上げ、ニヤリと笑った。





「上條さん!」




サトシの口から運転手の男の名前が呼ばれ、私の体を弄んでいた指の動きが急に止まったのだった。






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#25:サトシ(その8)

#25






ジュンが電話を入れて5分も掛からないうちに、タクシーはお店の前に到着した。


ものの5分しか経っていないのに、タクシーを待っている間中、サトシの長くてキレイな指は私の体のどこかに触れ続けていた。


意識が集中出来ないまま、また体に火を点けられた私は、真っ直ぐに歩くこともままならない状態でサトシに体を預けるようにしてお店を後にしようとした。




「病院…ですよね?」




ジュンの言葉が店の扉を開けようとする私とサトシの足を止めた。


ジュンの確かめるような言葉が私の胸をドキリとさせる。


まるで何かを怪しんでいるような含みのある言葉に、私の心のどこかに後ろめたさがあることに気付く。




「当たり前だろ…こんなに具合悪いんだから」




自分の触れた指で私をこんな状態にしたサトシは、悪びれた風もなくジュンにすかさず返事をすると、店の扉をゆっくり開けた。


店の前には停っている筈のタクシーの姿はなく、代わりに黒塗りのベンツが車道の脇を占領していた。




「おい、ジュン。俺、タクシーって言わなかった?」




サトシはチラッとベンツに目を遣ると、後ろに立つジュンに低い声で問い掛けた。


背筋をピンと伸ばし直したジュンは、バツの悪そうな顔をしながら「留衣子さんが…」と尻窄みに答えた。




「信用してねーな、留衣子の奴」




サトシはそう吐き捨てると、私の体を引き寄せベンツの方へと歩き出した。


サトシとジュンのやり取りを聞きながら、私は何が何だか分からないままサトシの動きに合わせるしかなかった。


ベンツの前に立つとタクシーのようにドアがゆっくりと開いた。


サトシは先に私を車に乗せると、まだ奥の席まで届いていない私の体を押し込むようにして乗り込んできた。


不安定な私の体は前のめりになって倒れ込みそうになった。


それがサトシの計算だったのかは分からない…


倒れ込みそうな私の体はサトシの腕に引き戻され、サトシの膝の上に頭を預けるような体勢になってしまった。




「この人、具合悪いんで」




サトシは運転手に向かってぶっきらぼうにそう告げる。


私は慌てて体を起こそうとしたが、サトシの力を込めた腕で制止されたのだった。




「病院、どこ?」




「あまり病院に罹ったことがなくて…近くに病院があればそこでいいです」




「…だって。運転手さん、聞こえた?どこでもいいって言うから、ここから30分くらいの病院にしてくれない?俺、ちょっと眠いからさ」




サトシは一方的にそう告げると窓に頭を預けて目を閉じた。


車がゆっくりと動き出した。


その動きに合わせてサトシの右手が私の背中を伝い、腰の方へと降りていった。


突然のサトシの行動に私の体がビクンと跳ねた。


声を出そうとしたが、ほんの数十センチの距離に運転手がいると思うと、恥ずかしさから唇をキュッと噛み締めて声を出すのを止めた。


私の様子を薄目を開けて見ていたのか、サトシの右手はスカートをたくし上げて、私のお尻を撫でながら秘部の在処を確認したのだった。






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Ryo

Author:Ryo
大人の恋愛小説を書いています。

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