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#34:サトシ(その17)

#34






「まひる…」




サトシの熱の籠った声が、私の名前を呼んだ。


今まで体を重ねてきた男達も、私の名前を愛しさを込めて呼んでくれていた筈なのに、愛しさが込められてる訳じゃないのに、胸の奥が苦しく切なくなるのは何故だろう…


サトシの寂しそうな背中を見てしまったから…?


サトシの過去の一部を知ってしまったから…?


女性の扱いに酷く慣れたサトシが、本当の温かさを求めているような気がして、こんなにも切なくなるのだろうか…


サトシの唇が私の首筋をなぞり、胸のふくらみを捉えた。


既に硬くなった乳首をサトシの生温かい舌は、擦り付けるように舐めまわし始めた。


もう一方の胸は、サトシの左の手でゆっくりと揉みしだかれ、私は徐々に息をあげていった。


サトシの舌で擦りつけられた乳首は、更に硬さを増し生暖かな舌に敏感になっていった。




「あぁ……ん」




サトシの舌使いに、私は思わず声を漏らす。


私が感じているのを確かめると、舌先で転がすように舐めてみたり、唇で吸い上げたりと更に刺激を与えてきた。


その刺激で、まだサトシから触れられていない場所が疼き始める。


触らなくてもその場所がじんじんと疼いて、ショーツを濡らしていくのが分かった。


サトシの手が胸から離れ、ウエストのラインを撫で始めた。


疼く場所に近付いてくる手の動きを待ちきれない私の体は、思わず腰を浮かせてしまった。




「もっと感じたいの?」




私が腰を浮かせたのが分かったサトシは、少し意地悪そうな目を向けながら私を見つめた。


その目が私のいやらしさを見抜いているようで、私は急に恥ずかしくなった。


初めて肌を重ね合う訳じゃないのに…


初めて会った日は、酔っていたとは言え、我を忘れて求めることが出来たのに…


少しずつサトシのことを知っていく度に、求める快楽とは裏腹に心が付いていこうとしているようで、私は戸惑いを隠せなかった。




「俺…」




そう言うと、サトシは愛撫する手を止めて、私の顔をじっと見つめてきた。


サトシの憂いを帯びた目に、私の胸がドキンと音をたてる…




「アンタを抱くことで、自分を取り戻せる気がする」




「自分を…取り戻せる…?」




私がサトシの言った言葉を繰り返して声にすると、サトシの顔が急に近付いてきて目の前に現れた。


驚く私の唇にサトシの唇が優しく重なる…




「まひるなら…俺らしくいられる気がするんだ」




サトシの言葉に胸の鼓動が早鐘を打つように鳴り響いた。


隙をついて、サトシはウエストラインで止まっていた手を再び動かし始める。


その手はいつの間にかショーツへと伸び、私の身を隠すものがなくなった。


すべてを曝け出した私の姿をサトシが観察するようにじっと見つめていた。






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