恋愛中毒
いらっしゃいませ。 大人の恋愛小説を書いております。 恋は気まぐれ。 更新も気まぐれですがお許しを。
スポンサーサイト
Date
--/--/--/-- --:--
Category
スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
満たして・・・
Date
2013/04/30/Tue 08:05
Category
画像ポエム
にほんブログ村
#98:堕天使(その17)
Date
2013/04/28/Sun 14:37
Category
恋愛中毒:まひる篇
「…恋人だった…って?」
苦々しい顔で川原のことを思い出しているだろうまひるに、敢えてそう問い掛けた。
まひるの記憶がどこまで思い出せているのか…それを確かめたかった。
「…彼、私の友達と婚約したのよ…」
まひるは俺の問い掛けに暫く黙り込んでいたが、キュッと唇を噛み締めた後、意を決したように口を開いた。
そう呟いたまひるの憂いの込められた表情に、俺の胸にもチクリと痛みが走ったのだった。
しかし、そんなまひるの顔を見ても、俺の気持ちは止められなかった。
何かが俺を急かすように、まひるの記憶を更に辿らせようとする。
「…それから?…まひるはどうしたの?」
「…それから…?」
俺の言葉に誘導され、まひるは硬く目を瞑った…
瞑った目は更に硬く閉じられ、甦らない記憶の断片に、まひるは再び苦々しい表情を浮かべる。
「それから?…それから、傷付いたアンタはどうしたんだよ!何処に行ったんだよ!」
まひるの記憶が甦らないことに苛立った俺は、思わず責めるように、まひるに捲し立てていた。
俺の言葉に一瞬、肩を竦めたまひるだったが、俺の言葉を声にしないまま繰り返し、俯いていた顔を徐々に俺の方へと向ける…
「…ねぇ…あなた…私を知ってるって言ったけど…いったい、何を知ってるの?」
顔を上げ、俺を見据えたまひるの目は、さっきまでの怯えた目ではなかった。
怪訝な顔で俺を睨みつけ、疑心を露わにしている。
「まひる…」
「こんな状況だったから、あなたに助けて貰ったんだと思っていたけど…あなた、何を見たの?…私に…何があったの?」
怪訝そうなまひるの顔が、時折、不安の波に襲われたように表情を変えた。
記憶の断片を失ったまひるの不安が募っていくのが、俺にまで伝わった。
「今のアンタに本当のことを話しても、俺の言うことなんか信じれないと思うよ…」
俺はまひるを苦しめようなんて思ってなかった…
俺のことをすっかり忘れてしまったようなまひるに、ただ、思い出して貰いたかっただけだ。
その俺の焦りが、今、まひるを苦しめている。
俺の発した言葉に、まひるは項垂れてしまった。
項垂れたまま、視線は床へと落とされ、まひるはそれきり黙りこくってしまった。
そして、その時から何も喋らない、表情を持たない人形なまひるに変わってしまった。
にほんブログ村
火を点ける
Date
2013/04/23/Tue 18:39
Category
画像ポエム
にほんブログ村
#97:堕天使(その16)
Date
2013/04/20/Sat 10:10
Category
恋愛中毒:まひる篇
俺はまひるの反応を見て、心穏やかではなかった。
気持ちを落ち着けようと、コーヒーを口に含むと、もう一度まひるの顔をチラッと見る。
まひるにも俺の戸惑いが伝わっているのか、何だか落ち着かない様子でマグカップの取手に触れては離す…を繰り返した。
「あの…」
静かな沈黙が続いて、俺がコーヒーを飲み干そうとする頃、堪らなくなったまひるがようやく口を開いた。
「何?」
「あなたは…私を知ってる…んでしょ?」
確信のないまま、俺に問い掛けるまひるの声は、僅かではあったが震えているのが俺にも伝わってきた。
きっと、俺がまひるの名前を呼び、俺の戸惑いがまひるにその言葉を言わせたのだろう。
「あぁ…知ってる」
俺はまひるが困惑することを承知で、そう答えていた・
まひるの記憶がどこまで欠落しているのかも、知りたいという気持ちがあったからだ。
案の定、まひるは俺の言葉に困惑した表情を浮かべる。
頭を捻りながら、何度も何度も俺の顔を見つめる。
「…覚えてない?」
俺の問い掛けに、まひるは申し訳なさそうな顔で小さく頷くと、突然、髪の毛をグチャグチャにし、頭を抱え込んだ。
「ごめんなさい…考えれば考えるほど、頭の奥の方が痛くなって…思い出せないの。どうしてだろ…」
顔を上げたまひるの顔が苦痛に歪んでいて、俺の胸がチクリと痛んだ。
俺は問い掛けてしまったことを後悔し、思わずまひるの細い肩に手を掛けた。
「いやっ!」
俺の手がまひるの肩に、ほんの一瞬触れただけで、まひるは嫌悪感を剥き出しにし、素早く俺の手から逃れる…
大袈裟なくらいの拒否反応に、俺の方が呆然とまひるを見つめてしまった。
「…こ、怖いの。触れられると…何だか、無性に怖くて…」
「まひる…」
「ごめんなさい!助けてくれたのに…怖いだなんて…ごめんなさい」
まひるは俺に謝りの言葉を発しながら、震える身体を自分の両手で押さえ込むように抱きしめた。
「どこまで…覚えてるの?…留衣子のことは…?」
「留衣子って…桜木部長のこと?…桜木部長を知ってるの?」
記憶にある名前が出たせいか、まひるは少し、俺への警戒心を解いたように見えた。
俺はまひるの問い掛けに答えないまま、続けざまに言葉を発する。
「川原…隆二は?」
その名前は覿面だった…
まひるは顔の色を失くし、留衣子の時とは違って、食いついてくるどころか、まるでその名前を避けるかのように俯いてしまった。
「知ってるよね?川原さん…」
「えぇ…私の恋人だった人だから」
まひるはそう言うと、ごく最近の記憶を辿り、思い出したように苦々しい顔を見せたのだった。
にほんブログ村
繋がる・・・
Date
2013/04/11/Thu 15:33
Category
画像ポエム
にほんブログ村
#96:堕天使(その15)
Date
2013/04/06/Sat 23:24
Category
恋愛中毒:まひる篇
「いや!来ないで!…来ないで!!」
まひるの声が部屋中に響き渡った…
何もないベッドの上で、まひるは幻覚を見ているのか、伸びた手は空を切った。
何度も何度も、怯える手は空を切り、見えない何かに言葉を投げ掛ける。
まひるが金切り声を出し始めた時は、どうしていいのか分からなかった…
まひるの背中を摩り、落ち着かせようと試みたが、俺の手は何度もまひるのありったけの力で振り払われた。
まひるが元に戻ろうとしているのか…
また、違う形で壊れかけているのか…
見守る俺には、いったいどちらの状態なのか、半信半疑だった。
まひるは、それから2日間、眠る以外はその状態を、ただひたすら繰り返した。
俺の姿を目にすると余計に怯えるまひるに、極力顔が見えないように細心の注意を払いながら、見守った。
2日経つと、喚いていた声は鎮まり、空を切っていた手も、肩から力が抜けたように、ベッドの上でダランとしていた。
幻覚が見えなくなったまひるの頬は、少し赤みが点したように見えて、俺から見える横顔は以前のまひるを彷彿とさせた。
「まひる…」
俺の声に反応して、ベッドに座ったままのまひるが振り返った。
目と目が合って、俺は満面の笑みでまひるに笑い掛ける。
そんな俺の顔を覗き込むように見たまひるは、きっと笑いかけてくれるんだろうと、タカをくくっていた。
しかし、まひるの顔から親しみを込めた笑みは浮かんでこなかった。
ただ、不思議そうな顔で俺を見つめるだけだった…
「…コーヒー、飲む?」
不思議な感覚の沈黙を破りたくて、俺はまひるにそう言った。
コクリと頷くまひるを確認すると、俺はキッチンにコーヒーを淹れに行った。
淹れたてのコーヒーのいい香りが、あっと言う間に部屋に充満する。
まるで、何とも言えない空気を塗り替えるかのように、部屋の空気は和んだかのように思えた。
マグカップに淹れたてのコーヒーを注いで、まひるへと手渡した。
少し遠慮気味に「ありがとう」と言って、まひるはマグカップを受け取った。
「どう?気分は…」
「ええ…気分は悪くないんだけど…」
まひるはそう呟くと、コーヒーに口も付けないまま俺の方を見つめる。
俺は何かを言いたそうなまひるに、小さく首を傾げてみる。
そんな俺を見て、まひるがゆっくりと口を開いた。
「…あなたが助けてくれたんですか?…私のこと…」
「…え?」
「見ず知らずの人に…助けて頂いたみたいで…申し訳ありません」
「まひる…俺のこと…」
まひるの言葉に返事をしようとして、言葉に詰まる…
まひるの瞳に映る俺は、まひるには初めて会う人になっていた。
にほんブログ村
溶けていく・・・
Date
2013/04/03/Wed 13:33
Category
画像ポエム
にほんブログ村
ホーム
このページのトップへ
プロフィール
Author:Ryo
大人の恋愛小説を書いています。
最新記事
あなただけ (10/14)
何度も・・・ (10/04)
あなただけの・・・ (09/30)
放って (09/29)
蠢く (09/28)
支配下 (09/26)
私 (09/25)
濡れる・・・ (06/30)
鎮めて・・・ (06/17)
支配 (06/13)
最新コメント
Ryo:濡れる・・・ (07/09)
めれんげ:濡れる・・・ (07/05)
Ryo:#60:堕落(その2) (01/06)
リディア:#60:堕落(その2) (01/05)
Ryo:#46:秘密(その7) (01/03)
キラリ:#46:秘密(その7) (01/03)
最新トラックバック
月別アーカイブ
2013/10 (2)
2013/09 (5)
2013/06 (5)
2013/05 (9)
2013/04 (7)
2013/03 (10)
2013/02 (7)
2013/01 (31)
2012/12 (55)
カテゴリ
未分類 (0)
恋愛中毒:まひる篇 (103)
私のこと (3)
画像ポエム (25)
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
最近記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS
リンク
管理画面
このブログをリンクに追加する
ブロとも申請フォーム
この人とブロともになる
QRコード