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#48:秘密(その9)

#48






留衣子の顔が間近に近付いてきて、甘く淫らな匂いを更に振り撒いていく。


どんなにたくさんの香水を降りかけたとしても、留衣子が放つ淫らな体液の匂いには到底適わなかった。


むせ返るような淫らな匂いは、私の思考を正常にはしてくれなかった。


かつて、こんな風に淫らな気持ちになったことがあっただろうか…


愛した人には心が感じて、そういう気持ちになることはあっても、今の私は心よりも体の方が敏感に反応してしまっている…




(淋しいわよね…)




そう言った留衣子の言葉が今の私にはシックリきて、余計に物悲しい気持ちになった。


でも、そんな私の気持ちの中にも、言葉では言い表せない想いが生まれつつあった。


留衣子の放つ淫らな匂いに、サトシのものが混じっている思うと、何だか胸がざわつくのだった。


黙ったままの私を留衣子が見つめた。




「川原君のこと、考えてる?」




不意に留衣子の口から、かつての恋人だった男の名が呟かれて、私は驚いた顔を見せた。


ほんのちょっと前に裏切られたばかりなのに、すっかり私の頭の中から彼の存在が消えてしまったことに驚いたのだった。


しかし、留衣子はそんな私の様子に気付かないまま言葉を続けた。




「こんなに魅力的なあなたを振るなんてね。…川原くんも自分の将来に目が眩んだのね」




「え?」




「あら?知らなかった…?彼の結婚相手、社長の姪っ子なのよ」




私は留衣子の言葉に一瞬、驚いてみせたが、思ったよりダメージは大きくはなかったようだ。


同僚だった瀧口沙織が社長の姪だということも…


あんなに結婚を切望した川原隆二が、野心を選んだことも…


何だか私にはどうでもいいことのように思えた。


そう思わせてくれたのは、私を性の快楽へと導いたサトシの存在があったからかも知れない。




「そんな人のことなんか忘れて…素敵な恋、しなさいよ。…それとも…」




そう言いかけた留衣子は、再び濡れそぼった私の秘部に手を伸ばした。


太腿の付け根に指を這わせ、ショーツの隙間から直接、秘部へと指を割り込んできた。


敏感になっている蕾に留衣子の指先が触れた瞬間、私の体は電流が走ったかのようにビクンと震えた。




「…こういうこと、愉しんでみる?…解放された自分に出会えるわよ」




留衣子の言葉は、まるで悪魔の囁きのようだった。


傾いていきそうな自分の心を引き戻すように、私は硬く目を瞑って首を横に振った。




「そう…残念だわ」




あっさりと引いていく留衣子の指と言葉に、私の秘部はジンジンと疼いていたのだった。






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