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#51:秘密(その12)

#51






床に仰向けになったサトシを庇うようにして立ちはだかり、私は上條を睨みつけた。


そんな私の姿を見て、上條はクククッと声を殺して笑った。




「アンタ、サトシに惚れたの?」




上條はそう言うと、車内のルームミラー越しに見つめてきた、あのいやらしい目を私に向けて距離を縮めてきた。


私の睨みつける視線から目を逸らさずに、ジリジリと近づいて来た上條は、遂には息が肌に掛かるほどの距離になった。




「もう、ヤったんだ」




上條の言葉に図星を突かれて、私の頬は見る間に紅潮した。


私の紅くなった頬を両手で挟むように掴んだ上條は、ニヤニヤしながら私の顔を舐めるように見つめている。




「やめて!」




あまりの近距離に堪えられなくなった私は、思わず上條目掛けて手を振り上げた。


しかし、その手は上條に触れることなく空を切り、上條の大きな掌に手首を掴まれてしまった。


ギリギリと力を込められた手首が捻られ、紅く火照った顔もすぐに色を失くし、苦痛に歪んだ顔に変わる。


まるで、その顔を愉しむかのように、上條は私の手首を掴んだ手に力を込めた。




「…上條…さん、やめて…くださいよ」




いつの間に意識を取り戻したのだろう。


仰向けになったままのサトシが、私の背後でそう呟く声が聞こえた。




「おっ!ようやく目が覚めたか?…まぁ、その体じゃ見てるしか出来ないだろうけど」




含み笑いを浮かべながら、上條は私の体を自分の方に引き寄せ、サトシに見えるように羽交い絞めにした。


腋の下から回された腕に力が入る度に、私の顔は苦痛で歪み、悲鳴にも似た声が漏れそうになる…




「…やめて…ください。彼女は…関係ないんですから」




傷だらけの体を必死に起こそうとしながら、サトシは上條に何度も懇願した。


その懇願が上條を刺激させたようで、私の背後に回った上條の息が荒くなっていくのを耳元で感じた。


首筋に上條の荒い息が掛かる度、何とも言えない恐怖が私を包んでいく…


締め上げられた腕は段々と指の先まで痺れていき、痛みを忘れさせた。


抗う力の失くなった私の体を待っていたかのように、上條は片方の腕を私の後頭部から離すと、いきなり無防備になった胸を鷲掴みにしてきたのだった。


服の下から直接、乳房を触れてくる上條の手は、私に嫌悪感を植え付けた。


荒々しく乳首を摘み上げられ、指先で擦り付けられる行為は、快楽とはほぼ遠いところにあって、更に私の顔を苦痛で歪めさせる。


その行為には愛撫をするような優しさなど微塵もなく、荒々しさだけを私の体に刻み付けていったのだった。






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