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#73:堕落(その15)

#73






私の中に精を放った川原だったが、興奮しているのか、再び私の蜜壷の中で昂ると、休む間もなく腰を動かし始めた。


濡れきらなかった私の蜜壷は、川原の吐き出した精で潤い、川原の動きをスムーズにさせた。




「…どうして…こんなこと…」




私が自ら溢れさせたものではないのに、嬉々とした表情を浮かべで、私の上で縦横無尽に腰を使っている川原を見ていると、何だか胸が苦しくなった。


かつて、愛した人がこんな風に精を吐き出したことに、憤りを感じすにはいられなかった。




「お前が濡れてくれないから…仕方ないだろ。流石に俺だって、気持ちよくなくちゃ萎えるし…それに…」




川原が動かしていた腰を止めて、額に滴る汗を拭わないまま私を見つめた。


川原の見つめる目が、私を見透かそうとしているようで、思わず目を逸らそうとした時、川原の両手が私の俯こうとする顔をしっかりと包み込んだ。




「お前さ…どうせピル飲んでんだから、妊娠する心配ないだろ?」




畳み掛けるように放たれた川原の言葉に、私は愕然とし言葉を失った…


学生時代の苦い恋の結末に、ピルが手放せなくなった自分の過去が、川原の言葉で否応なしに蘇って来る。


何故、川原がそのことを知っているのか…


誰にも話したことのない過去を、川原が何故、知っているのか…


私の頭の中で川原の乾いた声が何度も繰り返される。




「お前さ…本当に俺のこと、愛してたの?結婚なんて言ってたけど、お前の方がしっかり予防線張ってんじゃん」




「それは…違う…」




若気の至りで自らを傷つけてしまった過去を繰り返したくなかっただけ。


堕胎を初めて経験した、あの内診台の冷たさ…


一人で背負った孤独と恐怖…


それらが私の口を吐いて出ようとしたが、私の唇は川原の濡れた唇で塞がれてしまった。


川原の舌が私の腔内に挿し込まれると、クチャクチャと音をたてて蠢き始めた。


息も出来ないくらい舌で舐め回された後、口の中に微かな苦味を感じた。


私が目を見開いたことで、それに気付いたことを悟った川原は、更に舌を私の喉の奥の方へと挿し込んだ。


唾液と一緒に何か錠剤のものが流し込まれると、ようやく川原の唇から解放された。




「今度は、まひるも気持ちよくなれるよ…」




そう言った川原の言葉の意味が分かったのは、それから数分後のことだった――






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