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#15:幻

#15






体を横たえた私の蜜壷から、とめどなく愛液が太腿を伝って流れ落ちる。


まだ、蜜壷の奥はヒクヒクと痙攣を起こしていて、足の指の先まで痺れた感覚を残した。


男にねだったモノを挿入しては貰えなかったが、4本の指でグチャグチャに掻き回された蜜壷は、いつ壊れてもおかしくないほどの衝撃を与えられた。


気持ちがいいのかすら分からなくなって、気が遠くなる寸前に蜜壷からすべての欲望を吐き出した瞬間…


私の頭の中に電流が走り、意識が途絶えたのだった。




目を覚ました私は、薄いシーツを掛けられ、生まれたままの姿で横たわっていた。


シンと静まり返った部屋に、私が起き上がった時の重みベッドが軋む音だけが虚しいくらい大きな音で響いた。


部屋を見回したが、もう、男の姿はなかった…


飲みかけのペットボトルだけが、サイドテーブルに残されたままになっているだけだった。


これは…夢…?


男は幻…だったのだろうか。


一人取り残された小さな部屋で、私は小さな溜め息を吐いた。


そんな訳ない…


こんなにも生々しく、私の体には男に刻み込まれた痕が残っている。


今までに感じたことのない、甘美な快楽が私の蜜壷の中で蠢いている。


まだ、味わい足りないとでも言っているかのように、私の秘部が疼き始める。


この快楽を幻にしたくない…


私はベッドの周りに脱ぎ散らかされた下着や服を急いで纏うと、小さな部屋を後にした。


外に出てみて、ここがようやく古びたラブホテルの一室だと分かった。


ここからなら、私が酔い潰れたラウンジまでそう遠くはない。


私は小雨が降る中、男の後ろ姿を探し始めた。


きっとまだ、そう遠くには行っていない筈だ…


何を根拠にそう思えたのかは分からない。


ただ、この体の疼きをあの男に鎮めて欲しかった。


快楽の火種だけを残して消えた男を幻にしたくなかった…


時計は深夜を回っていた。


週末の街は私の想いを昂らせるように、賑わいを見せていた。






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大人の恋愛小説を書いています。

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