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#9:恐怖から生まれる快楽(その1)

#9







表情を持たない男は、黙ったまま私のブラウスのボタンを片手で器用に外していく。


足をばたつかせようにも、馬乗りにされている状態で、下半身も動かすことが出来ず、私は男にされるがままだった。




「…震えてるね。怖いの?」




抑揚のない言葉も、今の私には恐怖でしかなかった。


酔いが覚めていくように、私の頭の中に掛かっていた靄も徐々に取り除かれていく。


割れそうなくらいに痛かった頭も、嘘のように痛みが消えていた。




「あんたさぁ…結構、大手の食品メーカーに勤めてるんだね」




男の言葉に私は硬く瞑っていた目を大きく見開いた。


私の表情が変わったのを見逃さなかった男は、続けざまに言葉を発した。




「企画部の…庄野まひるさん」




私は自分の名前を呼ばれて、更に驚いた顔で男を見つめる。


私の表情の変化を楽しむように、ようやく男の目が笑った気がした。




「どうして…私の名前…」




そう呟きながら、ラウンジで出逢った二人組の男たちが頭を過ぎった。


また、沙織…?


親友だと思っていた沙織に慰めて欲しいと頼まれたと言っていた男たちの言葉を思い出した。




「…あなたも沙織に頼まれたの?」




私の言葉に男は何も答えなかった。


ただ、笑っているように見える瞳の奥には、私を蔑んだ感情を持っているように見えて、私は隙だらけだった自分を今更のように情けなく感じていた。


もう…どうでもいい。


こういう展開に導いてしまったのは自分…


そう思った瞬間、ブラウスのボタンがすべて外され、ピンクがかった肌が男の目の前で露になった。


男の細くて長い手が私の胸のふくらみを捉え、黒いキャミソールの上からゆっくりと形を確かめるように蠢いている。


キャミソールがいつの間にか胸の上までたくし上げられ、今度はブラジャーの上から揉みしだかれる。


男の手の動きは次第に巧妙になり、ブラジャーの布地と胸の突起が擦れ合うようにまさぐり始めた。


強くなく、弱すぎもしない刺激に私の胸の突起は硬くなっていく。


男の手の動きに重なるように吐息が漏れ出して、私は必死に声を押し殺した。


その吐息を聞き逃さなかったのか、男はブラジャーを引き上げると、硬くなった突起を指で軽く摘み上げた。




「あんっ…」




押し殺したつもりの声は、男のたったひと摘みで簡単に解かれ、私は次第に自分の意思を失っていくのだった。






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