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#65:堕落(その7)

#65






サトシの住んでいるマンションとは違い、防音設備などされていない私の部屋の私の寝室は、淫らな空間へと化していた。


玄関で迎えた一度目の波では飽き足らず、私達は貪るようにお互いの体を求め合った。


上條にロープで縛られた体は、あんなにも苦痛で嫌悪感を剥き出しにしていた筈なのに、サトシのモノを楽々と呑み込んでいる私の体は、痛みすら快楽へと変えようとしていた。


何度となく襲ってくる熱い波に応えるように、零れていく喘ぎ声…


蜜壷の中をサトシのモノで掻き回される度に、奏でられる愛液の音色…


身動きの取れない体が、サトシによって弄ばれ、ピンクに染まった肌に赤い痣を残していく。


もう何度、絶頂を迎え、意識が飛びそうになったのだろう…


興奮がみなぎったサトシの体と、きつく縛られたロープから解放されたのは、夜明けが近づいてくる時間だった。




「痕が…残りそうだな」




ベッドの中で戯れていると、サトシが不意に私の体を抱き寄せてきた。


ロープの痕が残る肌を優しくなぞっている。


思ったより上條にきつく縛られていたロープは、私の肌にクッキリと痕を残した上、サトシとの行為で快楽に悶えたせいか、上半身のあちこちに擦過傷を刻んでいた。




「…血、出てる…」




触れていた肌から滲む血を指先で掬い取ると、サトシは細くて長い自分の指に舌を這わせた。


すぐにその舌先は私の肌へと移り、傷口をそっと舐め始めた。


生温かいサトシの舌の感触が、何だか心地好くて私はそっと目を閉じた。


サトシにそうされているせいか、私の体の火照りは冷めることはなかった。


サトシの付ける唾液が傷口にしみているのに、その痛みまでもが私の体の芯を疼かせていく…


私は思わず傷口を舐めるサトシの体にギュッとしがみついた。




「まひる…?どうした?」




サトシは行為の最中とは程遠い優しい笑みを浮かべて、私の顔を覗き込んでくる。


私は怖かった…


長い時間の快楽から解放された体は、怖いくらいにまだ、サトシの精を欲しがっている。


サトシの温もりで心は満たされている筈なのに、体の疼きが止められない。


サトシの体にしがみつきながら、セックスという快楽の波に溺れそうな私の体に力を込め、抗ってみる。


気持ちとは裏腹にとろりと滴る愛液を太腿の内側に感じながら、心と体のバランスを失いつつある自分が怖くて仕方なかった。







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